花と悲しみ―魂の軌跡
花と悲しみ―魂の軌跡 / 感想・レビュー
双海(ふたみ)
短歌って言いすぎないようにするのがなかなか難しい。よく言われるけれどやってみると難しい。「愛されてそれでもどこか寂しげな女のように咲く水仙花」・「薄絹の紅のショールを羽織りつつ秋風わたる海を見ている」・「六枚の花びらのうち二枚だけ開きためらふ百合の秘めごと」・「好きなものすべて否定されつづけ私が誰かになった春の日」・「ノート型パソコンも夜ねるときはレースのハンカチかけてあげるの」・「ジャスミンの白き花の香胸ともり君に逢いたし夕闇の庭」・「われ病みて見つめし母のもの云はぬ瞳の奥にせつなさを聴く」
2023/05/15
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