KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

筑豊のこどもたち

筑豊のこどもたち

筑豊のこどもたち

作家
土門拳
出版社
築地書館
発売日
1977-07-21
ISBN
9784806756194
amazonで購入する

筑豊のこどもたち / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

harass

昭和39年(1959)の筑豊での取材した写真集。1950年のエネルギー政策変更の影響で、国内の炭鉱が次々に閉鎖された。栄華を極めた福岡の筑豊炭鉱地域も例外ではなかった。保証も不十分な失業した炭鉱夫たちは貧困に苦しみ、その子どもたちも…… 題名はよく聞いていたがはじめて手にとった。筑豊に住む自分には複雑な気持ちがある。この中ででてくる独特の炭住、炭鉱住宅はいまだに残っているし、生活保護受給者の数も全国的にみて多く、柄が悪いとされる地域もある。健気に生きる子供を中心に生活の一コマを撮影したカメラマンの出世作。

2020/07/05

ツキノ

1960年発行、1977年に新装版が出てから版を重ねている写真集。「土門拳は筑豊で子どもたちにレンズを向けて貧窮のどん底を世に知らしめた」とされる。写真に添えられた短い文章で状況がわかる。写真は貴重な記録だというのをあらためて感じた。

2021/07/19

flatone

子どもたちの表情や仕草から、全く知らなかった世界のリアルを突きつけられた。大人になった彼らはどのような生き方をしていたのか。今の自分と対比せずにはいられない。

2020/11/16

ひねもすのたり

1955(昭30)年。エネルギー政策の転換を前提にした石炭鉱業合理化臨時措置法が施行されます。 これに伴い中小の炭鉱は閉山に追い込まれ、大量の失業者を産み出します。 本書はそんな失意のどん底であえぐヤマ(炭鉱町)と、そこで極貧の生活を強いられている子供たちを撮影した写真集です。 華々しい高度成長を遂げた昭和30年代。 昨今、その眩さをノスタルジックに語る風潮がありますが、土門拳は眩さの背後にある影を見事に切り取っています。 被写体になっている子供たちのその後が幸多いものであったことを願います。

2014/07/26

HH2020

◎ テレビで紹介されたのを見て図書館から借りた。番組では表紙を飾る少女のその後を追跡取材し、最後に消息がわかり他県の港町で静かに暮していると伝えられる。無事に生き抜いてくれてよかった。取材に対し、次女は「母は筑豊のことも写真集のことも一切口にすることはない」と答えたそうだ。土門拳が少女を撮影した1959年、失業して極貧に苦しむ炭鉱労働者社会の中でもとりわけ貧しい暮らしをしていた少女にとって思い出したくもない過去に違いない。それでも「自分が死んだら父の遺骨とともにボタ山にまいてほしい」と。彼女の原点なのだ。

2021/01/26

感想・レビューをもっと見る