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増補 天空の玉座 (法蔵館文庫)

増補 天空の玉座 (法蔵館文庫)

増補 天空の玉座 (法蔵館文庫)

作家
渡辺信一郎
出版社
法蔵館
発売日
2024-03-08
ISBN
9784831826633
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増補 天空の玉座 (法蔵館文庫) / 感想・レビュー

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電羊齋

主に、漢から唐までの朝政と元日に行われる元会儀礼への詳細な分析を通じ、皇帝と官僚たちによる意思決定システム、主従関係、さらには帝国的秩序について論じている。興味を引かれたのは朝政において、朝議を文書に残していくためのシステム、それを支える官僚群と最終意思決定者としての皇帝の存在である。また元会儀礼については儀礼自体のみならず、それを支える「貢納」を分析することで、皇帝・官僚の主従関係のみならず、中央・地方さらに周辺諸国・諸種族へ広がる帝国的秩序を鮮明に浮かび上がらせているところも面白く読めた。

2024/04/13

みを

非常に興味深い内容だった。古代中国の朝会、そして元会儀礼の分析を通じて、皇帝と官僚の君臣関係を基盤とする「帝国」の成立構造を剔抉している。朝会など官僚の諸会議が存在したとしても、最終かつ究極的な決裁権は皇帝が有していたことにも注意すべきであるとしている点も頷ける。また元会儀礼の分析では、当該儀礼がもつ「意味」や「効果」のみならず、その成立を支える「貢納」へと筆を進めることで、中央政府─諸郡県─蕃夷の帝国的広がりを総体として捉えており、タテとヨコのつながりによって「帝国」が成り立っていたことを論証している。

2024/04/07

tokumei17794691

・本書で特筆すべきは、儀礼の政治的意義に比べれば比率は低いが、漢(劉邦が「皇帝の尊さを初めて知った」と言った儀式)・唐の元会(元日)の式次第が箇条書きにされていること。中国史本を読んでも、儀式の式次第が分からないことも多い。また、貢物も箇条書きされていて、どこから何が貢がれたかが分かりやすい。・舞蹈礼の政治的意義とその所作について記述は、順番を逆にしてほしかった。所作が分からず、長々と書いてある政治的意義を読み進めるのには疲れた。・専門用語にすらルビがないことが多く、読みが分からず、ストレスだった。

2024/03/17

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