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京都、パリ ―この美しくもイケズな街

京都、パリ ―この美しくもイケズな街

京都、パリ ―この美しくもイケズな街

作家
鹿島茂
井上章一
出版社
プレジデント社
発売日
2018-09-27
ISBN
9784833422987
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京都、パリ ―この美しくもイケズな街 / 感想・レビュー

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ケイ

[勝手きままな個人的印象で失礼] 前半の井上さんが語る京都は、歪んでいる。平安、室町時代の京都と、18~19世紀以後のパリを比べられまいに。それに鹿島さんが非常に冷静に論理的に返答されているのが印象深い。半ばから雰囲気が変わる。京都側にたって話していた井上さんの京都への愛憎の割合が、愛から憎の方へ比重がうつっていく。それでも意識してやまない京都への語りは、分析的であろうとする感情論。対して、鹿島さんは愛するパリを冷静に俯瞰する。この二都市ったらなんなのよ!と思いながら、やっぱりどちらにも行きたくなる。

2018/11/05

アキ

京都の人とパリの話をした時にふとこの本を思い出して再読した。対談のおふたりが、どうしてもエロの話題に行きがちな傾向があるが、歴史があり川が流れる町の共通点をさぐる。1京都人とパリジャンの気質、2京都の花街、パリの娼館、3京女、パリジェンヌの美人力、4京都とパリの都市史、5京都とパリの食の5項目。結論から言えば、2都市の共通する部分はほぼなかったです。都市の成り立ちと文化の特徴から、それぞれの街にイメージが作られる。姉妹都市でもあり、共通点は共に観光都市であることくらいか。三読目はないかな。

2022/06/16

アキ

パリも京都も魅力的な街。どちらも観光で有名だが、没落の自覚が観光を促すのは共通項。パリは産業革命以降イギリスの旅行先に、京都は東京に都を奪われてから有名になる。この対談での愁眉はなんといってもエロスの裏歴史。京女もパリジェンヌも地元ではなく地方から憧れてきた美人がなりそれを接待に使うのも各国の外交手段のひとつでスパイがいるのが常識だった。表歴史には決して出ないお話し。料理に関してもリヨンや大阪の食文化の方が豊かであるなど文化を知り尽した蘊蓄がすごく面白かった。本にも載せれない禁断の話しをもっと聞いてみたい

2019/01/26

青いうさぎ号

仏文学者の鹿島茂氏は1949年横浜生まれ。建築専門の井上章一氏は1955年京都生まれ。まさに碩学の長老。貴重な対談を、屋台で一杯ひっかけながら楽しく聞いている気分。最初に京都・パリの地図が掲載され(何度も見ました)、注釈の多さ、目次を見ても、実に幅広い…言い換えれば取り留めのない対談であることがわかる。都市の文化、歴史、食事情、美人力、花街の比較やSMやゲイの話まで出てくる。両先生に勉強になりました!と御礼を申し上げたら「いや君な、何のためにもならへんで」とニヤリと笑われるかもしれない。粋だなぁ。

2019/02/08

trazom

近所の物知りの御隠居二人の与太話を聞くような気楽さで読める対談集。少し油断すると、話題が、女性や下半身の方向にスライスしがちなのはご愛嬌だが、こうして二都市を比べてみると、パリと京都には、案外、共通点が少ないことに気付く。「大阪人とパリジャンの気質は合う」と言う方が正解かもしれない。パリと京都の共通点と言えば、ともに人気の観光都市ということだが、観光とは、「都市が魅力を失ったという自覚が促すもの」であり、「衰えたものが、藁にもすがるような思いで始めるもの」だとすれば、両都市の位置付けが理解できる気がする。

2018/12/31

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