ポイントン邸の蒐集品
ポイントン邸の蒐集品 / 感想・レビュー
きりぱい
完璧にしつらえたポイントン邸のすべてが息子に渡ってしまうゲレス夫人。腹立たしいモーナか、価値観の合うフリーダか、長子相続への割り切れない思いが引き起こす騒動が非常に読ませる。好機の度に道徳観念の強さが出るフリーダには白旗ものだけれど、息づかいが感じられるほど描き出される思索的でぶれない心中はなかなかのもの。愚鈍なオーウェンにやきもきし、期待する結末はさらわれ、不意打ちの結末。勝敗はひっくり返ったとみてもやっぱり苦い。
2012/02/09
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