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「悪知恵」のすすめ -ラ・フォンテーヌの寓話に学ぶ処世訓-

「悪知恵」のすすめ -ラ・フォンテーヌの寓話に学ぶ処世訓-

「悪知恵」のすすめ -ラ・フォンテーヌの寓話に学ぶ処世訓-

作家
鹿島茂
出版社
清流出版
発売日
2013-03-21
ISBN
9784860294007
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「悪知恵」のすすめ -ラ・フォンテーヌの寓話に学ぶ処世訓- / 感想・レビュー

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こばまり

さすがフランス流処世訓。性悪説に立つ方がいざという時の備えになる。騙すなと説くよりも騙されるなと教える方が実があるのだ。本書は2013年の父のイチオシ本。薦められるままに買ったはいいが積んでいた。当時の政情を揶揄した記述が多いのでもっと早く読むべきであった。

2016/06/14

ニッポニア

イソップ童話をフランス解釈で読む、ということでしょうか。日本人の感覚とは異なった展開が面白い。示唆に富む言葉の数々。以下メモ。無知な友より賢明な敵。東海林さだおのドーダ理論。人は差があまりに大きい時は無関心になるが、隣人との小さな差には神経質になる。最後にとるべいは丁半の両方に張っておく。性格の良くない人に何か与えると人は必ず後悔する。相手が小物であるほど、謙虚に振る舞うべし。ペテン師をペテンにかけるほど楽しいことはない。重大な危機が染まっても甘美なる歌声は決して邪魔にはならない。マネー総量は一定である。

2022/12/24

Kouro-hou

鹿島先生が2009~13までの性悪説的イソップ、ラ・フォンテーヌの寓話集を時事ネタを絡めつつ紹介していた連載をまとめたもの。イソップとラ・フォンテーヌは同じ酸っぱい葡萄でも「どうせあの葡萄は酸っぱくてまずい。誰が食べてやるものか」と「あれはまだ青すぎる。下郎の食うものだ」くらいの違いがある。いわゆる上から目線の精神健康法であり、騙し騙されは人生で不可避。大火傷するくらいなら悔しい思いくらいで済ませばいい。人に虚栄心がある限り、大なり小なりおべんちゃらに引っかかる。むしろペテン師を騙すの最高!とかは吹く。

2019/02/14

磁石

資本主義の原動力は「恋」。経済再興のためにはライオンを乙女に恋させる必要がある、そして身ぐるみ全部かっぱらわねばならない。……もしかすると『美女と野獣』の物語とは、美しいラブロマンス/究極のあげまんとはコレ、なんかではないのかもしれない。引きこもりでブサイクだが金と権力を持っている野獣から、身ぐるみすべてを引っペがしてイケメン王子にプレゼントする、野獣にとっては最悪なファム・ファタール=美女。美人局に引っかかった哀れな権力者の悲喜劇だったのかもしれない。

2017/05/07

磁石

負け惜しみは精神の良薬、高嶺すぎる花/ちょっとした侮辱をやり過ごすためには必要な処置。ある年齢を過ぎると本性は全てを嘲笑う、恋愛と結婚は違う/目先の華々しさと大局の利益は一致しないことが多い。危険が迫っている時でも甘美なる歌声は邪魔にならない、たとえ99%無視されたとしてもたった一人にでも心の平安を与えることができるのだから、芸術や文学には意味がある/時には生存の決め手となってくれる。……四方を敵に囲まれながら生き抜いてきたフランスの知恵、中々に奥深い。

2017/02/19

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