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フジモトマサル傑作集

フジモトマサル傑作集

フジモトマサル傑作集

作家
フジモトマサル
名久井直子
福永信
出版社
青幻舎
発売日
2020-11-25
ISBN
9784861528071
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フジモトマサル傑作集 / 感想・レビュー

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キク

すごく面白い。登場人物を動物にすることで、人間関係でよくある「穏やかな言い回し」や「自分の利益のために発言を選択する」というコミュニケーションスキルが一才なくなっている。動物のシンプルで鋭い言葉にドキッとする。子育てに試行錯誤するクマ。自立への憧れを抱えるペンギン、田舎暮らしに憧れる父親に連れられて転校してきたオオカミ。人の夢に入り込める精神分析医のアナグマ。素敵な絵と鋭い言葉で溢れている。それってすごく難しいことなんだけど、とても簡単そうにやっていて、すごいと思う。

2023/02/19

Vakira

版画の様な絵と2色刷のスクリーントーン。絵本ではなくマンガに近い。人間社会の話なのに主人公は動物だったり。絵は素敵だが、表現される小話がまた素敵。イラストは知ってましたが、マンガは読んだことなく、たまたまジュンク堂のフジモトマサルフェアに遭遇。っで手に取り、ペラペラめくるうちに虜に・・・買っちゃいました。チョット高め。でも何回も見て元をとろう。お気に入りは「アナグマ博士の睡眠研究」 アナグマ博士、他人の夢の中に入れます。「インプセプション」の様。My琴線ビンビン。もっと読んでみたいですね。

2021/03/21

ちゅんさん

初めてこの方の漫画を読んだがとてもよい。ほのぼのとした絵でクスッと笑えるようなオチがあったり、心がほっこりするような話だったり。他にもフジモトさんのエッセイやなぞなぞ、藤野可織の狂った(褒めてる)短編小説が収録されてて読んでいてとても楽しい。でもフジモトさんは亡くなられたんですね、こんなに素敵な描き手なかなかいないのに。

2023/03/13

ぐうぐう

まるで油断がならない。動物が言葉を話し、人間と共存している世界。そんな寛容な世界を、フジモトマサルは温かみのあるタッチで描く。けれど、ほのぼのとしていると思いながら読んでいると、必ず不意をつかれる。そこに不穏が立ち現れるのだ。だから油断ならない。ただ、その不穏は身に覚えのあるものばかりだ。だから、さらに油断ならない。『アナグマ博士の睡眠研究所』のアナグマ博士は言う。「まあ、夢には必ず出口があるということですね」出口があるということが絶望にも、あるいは救いにもなる。私達がいる世界がまさしくそうであるように。

2021/04/11

Roko

フジモトマサルさんって、ドキッとするようなことをサラッと言うんです。誰も言えなかったけど、もしかしたらって思ってたことをわたしの代わりに言ってくれているようなそんな気がしてしまうのです。おおかみのりんごちゃんも、アナグマ博士も、ひつじのドリーちゃんも、人間の世界の中で違和感なく生きてるのがとっても好き。見た目は違っていても、そんなこと何も気にしないで生きている世界っていいなぁ。とても静かな世界で展開されるシュールな会話なんだけど、そんな話したことあるかも?って思えてくるのは何故なのかしら?

2021/09/13

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