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船に乗れ! (3)

船に乗れ! (3)

船に乗れ! (3)

作家
藤谷治
出版社
ジャイブ
発売日
2009-11-05
ISBN
9784861767357
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船に乗れ! (3) / 感想・レビュー

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ミナコ@灯れ松明の火

ひょっとしたら人生なんて苦いばかりのものなのかもしれない。ほんの少しの楽しいことや輝きを抱えて、私たちの船も揺れ続ける。どれだけ時が経っても癒えることのない傷をみんな抱えながら、「それなり」の幸せを目指して。今の自分が昔の自分へ声を届けることはできないように、未来の自分が叫ぶ声も今の自分には届かない。未来、私は今の自分に何を思うだろうか、と遠い未来に想いを馳せながらの読了。きらきらしたラストではなかったことに、感謝。

2011/11/08

エンブレムT

なるほど!青春物というのは、成長物語とは限らないんだな。最後の最後に、タイトルと回顧録というカタチをとった構成に納得できた。でも。・・・世の中は、芸術家でも哲学者でもない者で溢れている。それを当然のこととして生きているので、どこまでも自分ルールを通したサトルや南が、諦めの溜息と共にその当然と思ってる世界に『堕ちた』ようにも取れる描かれ方は正直不愉快だった。音楽のシーンは本当に魅力的でワクワクして読めたので、作者の目指したものが「様々な不満点を音楽でカヴァー」だったならば、成功してると思う。いろんな意味で。

2011/07/30

しろいるか

完結。これは高校生を主人公にした単なる学園青春ものじゃなかったな。同世代が読むより30代以降の大人が読む方が思うところがあるかも。金窪先生の言葉が深く心に残った。結局サトルも南も、自分のことだけで精一杯で、自分以外の誰もが抱えている様々な気持ちに思い至ることが出来なかったということに尽きる。若い時って往々にしてそうなのかもしれない。年を経ると昔の仲間とだんだん疎遠になるのも、毎日に流されていくことも、今の自分じゃない何者かになれたかもしれないと思うことも。船に揺られ続けている自分の半生を振り返りたくなる。

2011/09/08

れいぽ

仮定法過去完了は過去の事実に反する仮定、想像、願望を表現する、という定義を思い出しちゃいました。3巻はまさに仮定法過去完了のような小説。面白かったけど、世界が失速してカラーがモノクロに変ってしまったような噛み合わない読後感です。小説の中だけでも上手くいってほしかったなぁ。それがこの小説のリアリティなのかな。30年たってふとチェロを手に取る。そんな幸せ。人生は後悔と航海の連続。だから船に乗り続けることが肝心。そして一番近くにいる人と合奏協奏曲を。不協和音を恐れずに奏でればきっと素敵なハーモニーになるはず。

2011/02/22

黒猫

ついに最終巻。鮎川との友情が戻ったことが嬉しかった!ひたむきに音楽に情熱をそそぐ彼(女)たちの姿がもう一度みられてよかったー!人生山あり谷あり。良いこともあれば、悪いこともある。でも、その一つ一つの経験が、この先の未来に繋がっていくのだと信じたいな。私たちの乗っている船は、揺れ続けているのだから・・・。

2011/11/12

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