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ニュー・アソシエーショニスト宣言

ニュー・アソシエーショニスト宣言

ニュー・アソシエーショニスト宣言

作家
柄谷行人
出版社
作品社
発売日
2021-01-25
ISBN
9784861828355
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ニュー・アソシエーショニスト宣言 / 感想・レビュー

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Sam

本書を読んで、以前田中康夫と浅田彰が「憂国呆談」の中で「時代の右傾化とともにいつの間にか自分たちが左寄りの人間と見做されていることを知って驚いた」と語っていたのを思い出した。20年ほど前にNAMが出版されたときはまさに孤高の書という印象を受けたものだが、行き過ぎた新自由主義に対する課題認識が共有されている現在においては、まさに時代の要請に応える一つの提言となってはいまいか。図らずも著者自身が最後に「未来のほうがこちらに向かってくる」と書き記している。

2021/02/23

ta_chanko

世界や歴史を交換様式から見る。A贈与と互酬(部族)、B収奪と再分配(国家)、C等価交換(市場)。グローバル化した現代はCが優勢なキャピタル=ネーション=ステート。この社会の行き詰まりを解決するのは、交換様式D(Aが高次に回帰したもの)。しばしばそれは、普遍宗教・脅迫的な道徳倫理として現れる。現代はおいてはSDGsか。市場や国家の論理に絡めとられないように、内在的に超出的な対抗運動が必要。選挙と抽選を合わせた参加型のアセンブリ(議会・集い・デモ)にもとづくアソシエーションの構築も大切。

2021/07/02

ゆうきなかもと

なるほど、資本主義の外側での関係で集まるのが大切。それは損得勘定を超えた間柄で寄り合うということか。それはオレの言葉で言い換えると、「地縁による繋がり」、「趣味や興味関心による集まり」、そして「アイデンティティに基づく連携」をしていくことが大切なんだと思った。 地域通貨についても感じることがあった。 地元木更津のアクアコインをもっと使うべきなのかな?

2021/10/25

逆丸カツハ

名指されているものが、名がそれ自体の意味するところのものとは異なるように機能しているとか、ある項が他の項との関係性の変化によって機能が変動しうる可能性から世界を見ることが徹底されていて、その分析にすごく感動したが、それはそれとして、専門の歴史学者や政治学者などからこの人の論がどう見えるのかは気になるところ。

2021/11/27

OjohmbonX

新自由主義の弊害が見えてくると、福祉国家へ舵を切れという主張が増えてくるが、もともと福祉国家が維持できなくなったことで新自由主義が出てきている経緯を考えると実は非現実的で、そうではなくて「資本=ネーション=国家」の枠組みの外側を考えないといけない、という指摘が示唆的だった。NAMという活動自体がその「外側」を目指したものになっている。そういう活動は主流にはなり得ないし、主流を目指さないけど、現行の支配的なシステムが壊れた時のショックアブソーバーになるから必要だという。

2023/08/15

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