芝居の面白さ、教えます 日本編
芝居の面白さ、教えます 日本編 / 感想・レビュー
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本書では、真山青果『元禄忠臣蔵』、宮沢賢治『ポランの広場』ほか、菊池寛『父帰る』、三島由紀夫『鹿鳴館』/『サド侯爵夫人』、安部公房『友達』が取り上げられているが、その取り上げ方が様々で、書名どおり作品を詳細に読み解き、その作品の先進性を(今では当たり前でも当時にあっては)高く評価されるべきだとして、この作品はこう味わうと良いと丁寧に解説した章もあれば、けちょんけちょんに腐したり、評伝のように作者の生きざまを中心に述べた章があったり(これがどうして芝居の面白さにつながるのか?)、市民相手の連続講座や⇒
2023/10/15
Hiro
戯曲講座とあるが作品に沿って具体的に作劇を論じているのは厳密には三島と安部の章だけで、ほかの3人、特に宮沢賢治の章は東北の産んだ世界の詩人、農村活動家の人物論作品論というべきか。驚いたのは劇作家安部公房批判の激しさである。これから本書を参考に安部公房を読んでみようかという人は圧倒されていっぺんに読書意欲を削がれかねないほど。逆に著者の誠実さが伝わる。私はまず全く未知の真山青果、そして三島の戯曲を読んでみたいと思った。全編著書の情熱と温かい人柄が偲ばれる。他にも未発表の講演録があればぜひ世に出して頂きたい。
2023/09/24
spokan
図書館本。
2023/12/09
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