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希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話

希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話

希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話

作家
フランツ・カフカ
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
頭木弘樹
出版社
飛鳥新社
発売日
2014-04-23
ISBN
9784864103138
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希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話 / 感想・レビュー

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ケイ

「厚い雲、たちこめる霧、激しい雨の中から、希望はわれわれを救い出す」(ゲーテ)「こうして救い手は、救うことなく去って行く」(カフカ)。このような対比が解説付きで次々にくるのが大変面白かったのだが、次第にあきてしまった。途中から対比させる文章に無理があったり、何よりゲーテの言うことがまともだからだ。ゲーテの言葉だけ読んでみると、ごもっともだが、当たり前すぎる。カフカのありえない悲観的文章の破壊力が、並べるのは凄過ぎるのだ。どうせ読むなら、「絶望名人カフカの人生論」が新潮から文庫で出ているのでおすすめ。

2016/07/16

めろんラブ 

陽のゲーテ・陰のカフカという視点で編まれた名言集。企画の勝利本と言えそう。お二人ともそれぞれの極に振り切れていて、笑いを誘われたり深い洞察に唸ったり。一般的に希望と絶望は対極ではあるが、名人まで上り詰めた思想と哲学の深みは同等と思える。つまり、お二人とも物事を高度に考えることにおいて似た者同士であり、ほぼ考えない人(私)にとってもはや異次元の対話。名人技を堪能しつつ、毎度毎度絶望しているカフカが可笑しすぎて参った。

2014/08/13

どの哲学者の考えに共感するかは人それぞれだと思いますが、希望名人ゲーテと絶望名人カフカが同じテーマでどのような考え方をそれぞれしていたか、比較すると面白いと思いました。私の中では圧倒的にカフカのほうが現代人っぽくて気に入ります。ゲーテは、常に前を向いて、希望を持って、未来に夢見て生きようとする人には響くのだと思います。カフカの考えは現実的かつ嫌味っぽいところが笑えます。2名の間ぐらいの考えの人いないかな?

2018/08/11

おいしゃん

オススメされて。これはアイデア勝ちな本。突き抜けるほど明るく、胡散臭さを通り越して逆に励まされるゲーテの言葉と、どうしたらここまでネガティヴに考えられるのかと感心してしまうようなカフカの言葉。これを見開きで並べ、解説もつけてひたすら対比してゆく。両者への愛のこもった解説も含め、ゲーテとカフカの人となりがよくわかる一冊。

2015/11/17

星落秋風五丈原

「晩に、わたしは千匹のハエをたたき殺した。それなのに早朝、一匹のハエに起こされた。」ちなみにこれは比喩である。実際にゲーテが蠅殺しフェチだったわけではない。 で、一方カフカはぶんぶんうるさい蠅を叩こうとした少女に一言。「かわいそうなハエを、なぜそっとしておいてやらないのですか!」カフカは優しい、ゲーテは残酷、というわかりやすい話ではない。だが、この二人はあまりに違いすぎる。カメラのネガとポジのようだ。本だってどう?白と黒で差をつけちゃって。悉く対立する二人が実際に会ったら“会話”が果たして成り立つか。

2019/09/13

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