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戦争とデザイン

戦争とデザイン

戦争とデザイン

作家
松田行正
出版社
左右社
発売日
2022-07-30
ISBN
9784865280937
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「戦争とデザイン」のおすすめレビュー

近代以前からプーチンのウクライナ侵攻まで!人間の悪と正義がせめぎあう「戦争のデザイン」の歴史

『戦争とデザイン』(松田行正/左右社)

 ロシアのウクライナ侵攻(プーチンの戦争)では、双方の国が旧ソビエト時代の兵器を使用していることから、戦争当初からロシアでは兵器などに識別記号の「Z」や「V」を記した。このシンボルは後にロシア側ではウクライナへの侵略のシンボルとなり、ウクライナ側にとっては侵略者、破壊者のシンボルと映った。

『戦争とデザイン』(松田行正/左右社)は『RED ヒトラーのデザイン』や『HATE!真実の敵は憎悪である』(ともに左右社刊)、『独裁者のデザイン』(平凡社)などに続く、グラフィック・デザイナーである著者によるデザインから歴史の負をあぶりだす一冊である。

 プーチンの戦争はストーリーを作った方が有利となる「ナラティブ戦争」と呼ばれ、SNSなども駆使し戦争の正統性を訴え、それらのプロパガンダが飛び交う情報戦が交わされている。そうした戦争のストーリー構築に大きく関わっているのがデザインであるという。

 本書は過去の戦争から現在進行形の戦争まで、4つの章によりデザインから戦争の「企み」を明らかにしていく。

 第一章「戦争と色」によると、古…

2022/11/18

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戦争とデザイン / 感想・レビュー

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奏市

グラフィック・デザイナーの著者による世界各地の戦争にまつわるデザイン、色、表現などをまとめた書。ロシアのウクライナ侵攻での実例を挙げながらプーチンがいかにナチス・ヒトラーと類似した手法を使っているかを説明し、過去の独裁者達を含め糾弾する内容になっている。印象に残ったのは英、米、露とも共通し、見る者を指差して戦争にまだ従軍しないのかと圧迫・脅迫するポスター。脳に焼きつく感じ。ナチス時代、ユダヤ人の商店にでかでかとダビデの星と「薄汚いユダヤ人」など書いた落書き写真見ると、うわってなり気分悪くなる。/図書館より

2022/09/04

ののまる

ほんとに、人間って愚かなことを繰りかえすんだわ…

2023/02/20

Gamemaker_K

うーむ…。面白かったといえば面白かったが、デザインのテイストは薄いと感じた。…戦争が始まったら、冷静な判断力なんてなくなるんだろうね。あからさまな煽りにも、拳を突き上げながら突進するな、俺はきっと。

2022/10/06

しゅー

★★「プーチンの戦争」への怒り強め。デザインを通じて人間の愚行に関する歴史を語る。

2024/01/27

とろりんとう

2022年9月、日経新聞書評本。戦争における色、印、言葉、デザインの歴史を辿る。色の意味と認知、構図を理解。ナチスのシンボルの使い方は考えられている。言葉も特別○○、自由の○○など自らを正当化し、相手国を悪に例えるのはどの国も同じ。ナチスがユダヤ人とスラブ人を戦争に登用せず、虐殺することを優先した結果が敗れた要因の1つ。1人の独裁者か少数の権力者の猜疑心と被害妄想等による戦争への反戦、特にロシアのウクライナ侵攻への批判が強い。とても共感できるが、もっとデザインが客観的にどう影響したのかの解説が欲しかった。

2024/02/18

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