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この世界の片隅に【新装版】 (上) (ゼノンコミックスDX)

この世界の片隅に【新装版】 (上) (ゼノンコミックスDX)

この世界の片隅に【新装版】 (上) (ゼノンコミックスDX)

作家
こうの史代
出版社
コアミックス
発売日
2022-05-20
ISBN
9784867203712
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この世界の片隅に【新装版】 (上) (ゼノンコミックスDX) / 感想・レビュー

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ムッネニーク

33冊目『この世界の片隅に 新装版 上』(こうの史代 著、2022年6月、コアミックス) テレビドラマ化やアニメ映画化もされた、こうの史代の代表作にして日本漫画史に残る傑作。戦時下の呉を舞台に、慎ましくも逞しく日々の生活を送る女性、すずの姿を描く。昭和20年頃の広島が、生き生きとしたリアリティで描き出されている。心理描写も非常に巧み。漫画という手法がとられた純文学である。「呉紀行」というイラストエッセイも同時収録。 「誰でも何かが足らんぐらいで この世界に居場所はそうそう 無うなりゃせんよ すずさん」

2022/05/24

もぐもぐ

元々全3巻で2008〜2009年に刊行された作品を、今回上下巻の新装版とした内の上巻。こうの史代さんが2016年の夏の呉を描いた「呉紀行」を追加収録。上巻は日本が戦争に向かって行く中でも、まだ日々の生活に笑顔があった。皆にそれぞれの居場所があった。こうの史代さんの丁寧で温かい描写が、何気ない日常の素晴らしさを伝えてくれます。サイズが小さくなった分、欄外(特に内側)に書かれた手書き文字が読み難いのはちょっと残念。原画は呉市立美術館に寄託されているそうです。

2022/05/27

ムーミン2号

約10年ぶりに再読。その間、アニメになった本作はなにかと話題を呼んだため、何度かすずさんに会ったような錯覚に陥っていて、10年ぶりの再読とは思えなかった。この巻では昭和19年12月までが描かれるので、日本全体の戦況は逼迫しているのだろうけど、まだ空襲のない都市では生活は苦しくともある程度の日常は保たれている。憲兵さんがすずさんにかけた嫌疑だって後の笑い話になってしまうくらいだ。広島県の呉市を舞台にした作品。下巻へ続く。

2022/05/29

いっち〜

数年前に映画を観て以来の原作。素朴な絵と全編に渡る広島弁で絵日記のような雰囲気。数年前に行った呉の風景を思い出し、なかなか感慨深い。戦時下で切迫していく世相とほのぼのしたすずたちの日常の対比に美しさと共に何とも言えないやりきれなさも感じる。そして、作品全体的に不思議と心を打つものがあり、史実や今作の結末を知ってると尚の事切ない気持ちになるし、最後の著者からの一言にも静かだけど強い思いを感じる。恐らくこの作品を見て何を思うかは人それぞれだろうけど、どんな時でも人の営みは途切れずに続くと改めて思い知らされた

2022/08/23

待ちに待った新装版です。元々上中下の三冊構成だったものが上下の二冊に収まりました。私にとって大好きな作品ですして、映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』も鑑賞して感動しました。すずさんは可愛い。健気。おっとりとボーッとしているように見えても、とても心の強い人間だと思います。

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