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オールアラウンドユー(定価1980円税込)

オールアラウンドユー(定価1980円税込)

オールアラウンドユー(定価1980円税込)

作家
木下龍也
出版社
ナナロク社
発売日
2022-10-07
ISBN
9784867320167
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「オールアラウンドユー(定価1980円税込)」のおすすめレビュー

「はなびらはやさしい地雷」ってどういう意味? 「情熱大陸」にも出演した歌人・木下龍也の現代短歌

『オールアラウンドユー』(木下龍也/ナナロク社)

「もう本当に、木っ端みじんに撃ち抜かれてしまいました。何度読んでも、全身に力がみなぎるような、全身の力をすべて抜かれてしまうような気持ちにさせられます」

「情熱大陸」でも取り上げられた歌人・木下龍也さんの歌集『オールアラウンドユー』(木下龍也/ナナロク社)を読んだ友人が、たまらない様子でそう教えてくれた。私は短歌のことがよくわからない。「短歌を味わえる人」と「味わえない人」がいるとしたら、私は後者なのだろうな……と軽いコンプレックスを持っていた。

 しかし、友人の言葉を聞いて、「そんなにすごい歌集なら、私の心も震えるのだろうか。彼女のような気持ちにはなれないとしても、何か感じるものがあるかもしれない」と、『オールアラウンドユー』を手に取ってみた。

 歌集は、布張りの美しい装丁だった。初版は表紙の布の色みが5種類あるらしい。ページは少し厚めで、真っ白というより生成りに近い紙で、小口側の角が丸くカットされていた。1ページに1首ずつ、全部で123首の短歌が収められている。収録歌より7首引用しよう。

昔より優しくな…

2024/4/6

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連載15年!プロ歌人を輩出し続ける『短歌ください 海の家でオセロ篇』出版記念イベントレポート

 歌人・穂村弘さんが、読者から投稿された短歌を選んで講評する「短歌ください」は、『ダ・ヴィンチ』が誇る長寿連載。連載開始から15年経った今も、毎月1500~2000首の投稿が寄せられている。そんな人気連載の書籍化第5弾となる『短歌ください 海の家でオセロ篇』(穂村弘/KADOKAWA)が2023年2月2日に発売。  その発売を記念して、2月26日に歌人たちのトークイベントが開催された。穂村弘さんに加え、岡野大嗣さん、木下龍也さん、鈴木晴香さんの3名がゲストとして出演。「短歌ください」の歴史で数多の採用数を誇り、現在プロ歌人として第一線で活躍している歌人同士で、「短歌ください」の収録歌や、歌人としてのキャリアなどを巡るトークを繰り広げた。本稿では、その前半パートをレポートする。

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2023/3/29

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オールアラウンドユー(定価1980円税込) / 感想・レビュー

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まる

短歌を読むのは好きだけれど、自分にはずっと遠い宇宙。でも、最近の朝ドラに感化されて図書館で借りた一冊。三十一音の規律を守りながら言葉が自由気ままに踊っているようで読めば快感。  私は雨の日が好きで、ひねくれ者なので、この詩が好きです。「雨、ぼくはぼくよりも不憫なひとが好きで窓から街を見ている」 「生きてみることが答えになるような 問いを抱えて生きていこうね」

2023/02/28

世界の新しい切り取り方。「海馬にはおならを泡で見せ合った湯船が今も沈まずにある」「ひとつめの扉を閉じているような祖母の運転免許返納」時折刺さるのが良い。

2023/07/05

水色系

「後ろから抱きしめながらするキスはあなたがくるしそうでうれしい」(P33)。この歌のサインが入っており、宝物のような一冊。スピンが2つついていて、今読んでるところと、好きな歌の2箇所にはさむみたいな使い方ができるので楽しい。

2022/10/25

mako

こころ魅かれる歌が何首もある。繊細さ、やさしさ、同時に死がすぐそこにあったり・・・。繰り返し読みたい。

2022/10/20

だいだい(橙)

「情熱大陸」に登場した話題の歌人による新歌集。表現力には唸らされるが、特に目新しいものはない。若い人が共感しやすい、恋愛感情、死にたいという気分、寂しいという気持ちをちりばめているので、たぶん売れ筋なのだろう。私としては、これだけ力のある歌人が、受けるトレンドの歌を詠むのはちょっと物足りない気がするが、短歌の入口としてはちょうど良いのかもしれない。短歌に興味を持ち始めた人にお薦めしたい。

2022/11/01

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