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【新訳】吠える その他の詩 (SWITCH LIBRARY)

【新訳】吠える その他の詩 (SWITCH LIBRARY)

【新訳】吠える その他の詩 (SWITCH LIBRARY)

作家
アレン・ギンズバーグ
柴田元幸
出版社
スイッチパブリッシング
発売日
2020-06-30
ISBN
9784884185381
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【新訳】吠える その他の詩 (SWITCH LIBRARY) / 感想・レビュー

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更紗蝦

社会と自分の有りようをテーマにした作品というと、それが日本人による作品だと、詩だろうと小説だろうと漫画だろうと大抵は「都会嫌悪」が含まれているか、もしくは「都会に馴染んでいる自分は勝ち組」という自己顕示欲や優越感(それも結局は都会嫌悪の裏返しでしかありませんが)が含まれていて鼻につくのですが、ギンズバーグの詩は都会をむさ苦しく薄汚ない場所として表現しながら「都会嫌悪」は全く感じられないところがとても良いです。

2020/08/07

ロビン

アメリカビートジェネレーションの中心的存在であったギンズバーグの詩集。より現代的に過激になったウォルト・ホイットマンというのが第一印象であった(実際ホイットマンについての詩も収録されている)。『草の葉』は性的表現があからさますぎるという理由で批判されたが、本書も最初は猥褻文書扱いだったという。続いて思い出したのはハロルド・ピンターだ。彼はアメリカ帝国主義批判のための詩でギンズバーグばりの卑猥な言葉を用いたが、それは現実に起こっていることが卑猥だからだと言っていた。ともあれ、偽善や虚飾からほど遠い詩である。

2020/06/30

三柴ゆよし

理念として成立したアメリカという国家が、決定的に毀たれてしまった地点からはじめられた詩である。そこでうたわれるのは、国家の理念から零れた負け犬たち、すなわちジャンキー、浮浪者、性倒錯者、狂人……であり、彼らの遠吠えが詩人自身の声に和され、山川草木悉皆聖というほかない、全にして一なる宇宙へと統合されていく。<ブルックリン・ブリッジから飛び降りた これは現実にあったことだ そして知られず忘れられて歩き去った チャイナタウンのスープ 路地 消防自動車の幽霊のごとき眩惑のなかへ 一本の無料ビールもなしに、…>

2020/07/17

スミス市松

その一擲の咆哮が駆け抜けたのはアメリカの裏側。詩人は「正しさ」や「強さ」を善なることとしてきた当時のアメリカが蔑ろにしたあらゆる場面を拾いあげる。長い一行一行の詩形として表された人々の嘆きは詩人の生身の声としての音と緩急と有限性を獲得し、人間性の回復に向かって真っ直ぐに突き進む。「それは敗北の吠え声だ。でも敗北では全然ない、なぜなら彼は敗北を、あたかもそれが普通の体験、些細な体験であるかのようにくぐり抜けてきたからだ。この人生にあっては誰もが打ち負かされる、だが人間は、本当に人間なら、打ち負かされない」。

2020/07/14

スイ

話題になっていた「吠える 脚注」、最高ですね…。 聖! 聖! 私も聖! 理解できたかと聞かれたら、全然、と答えるしかないのだけど、どの詩も読むのが心地良かった。 私の希望から来る錯覚なのかも知れないけど、温かなものを感じて。

2020/08/06

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