母の最終講義
母の最終講義 / 感想・レビュー
trazom
絶対音感、星新一、セラピスト、キリスト教…最相さんの著作が次々と思い浮かぶ47本のエッセイ集。癌で声を失った父を通じて「医学の進歩によってもたらされた不自由で長すぎる余命を生きていく」ことを思い、認知症の母に寄り添いながら「母が身をもって私を鍛えてくれていると思えるようになった」と書く最相さん。上下関係を介在させる「ごくろうさま」や「ケア」という言葉への違和感や「あえて、見ない、知らない、やらない」ことの大切さなどにもハッとさせられる。最相葉月さんとミシマ社さん。優しさと善意に溢れたいいコンビだと思う。
2024/04/18
ぐうぐう
新しい視点を獲得するのは、なんとも難しい。それは、自分が信じてきたものを疑う行為であり、時には否定することにだって繋がりかねない。知らず知らずのうちに、私達は避けているのだろう。視線をいつもと同じ方向にして、傷付かないようにしているのだ。最相葉月の本には、そんな新しい視点がいつも存在している。本書は最相の最新エッセイ集だが、彼女がどのようにして新しい視点を獲得しているのかの一端を垣間見ることができる。それは、ひとことで言えば、弱者への想いを持つことからだ。(つづく)
2024/02/19
紫羊
友だちからの回覧本。著者にとって、初エッセイ「なんといふ空」の続編という位置付けの本。 相対音感の話が面白かった。世の中、言われてみないとわからないことがいっぱいだ。ミシマ社の本で装丁も良い。
2024/02/23
mako
新聞等に掲載された小さなエッセイ集。各話に、刺激や重み、読みどころがあって、手軽に読めるが、味わい深かった。
2024/03/10
コンチャン
著者が約30年の間、母親の介護に関わってきたという経験が軸になって構成されたエッセイです。他にもコロナ禍だったり、ひとり旅だったり、様々な媒体で発表されたものも併録されています。共通しているのは、優しい筆致。とてもよ見やすくて、染みる言葉がたくさんありました。エッセイ好きな人におすすめです。
2024/01/26
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