“町中華”のカレーを侮るな! 『散歩の達人』編集長コラムVol.3

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2017/12/21

 こんにちは。月刊『散歩の達人』編集長の土屋です。今月号の特集は「みんなの町中華」。いきなりですが、「町中華」って知っていますか?

「町中華」とは、いわゆる本場の中華料理ではなく、定食やオムライスなど中華以外の料理がメニューに並ぶ、大衆的な中華食堂のこと。今、この「町中華」が各メディアで注目されていますが、弊誌では2015年9月号から「町中華探険隊がゆく!」と題して連載を続けており、町中華に関しては、少しばかりこだわりがあるのです。

 その一つの集大成が今月号の特集。特集内では、町中華がたくさんある街(=町中華の街)として荻窪、浅草橋、堀切菖蒲園を紹介しているほか、町中華発祥の街として浅草を、さらに「もうひとつの中華の世界」として、横浜の町中華についても紹介しています。

『散歩の達人』1月号(交通新聞社)

 ほかにも、町中華定番メニューとして、中華丼、レバニラ、チャーハン、もやしそばのビジュアル&味比較や、お餅がメニューにある町中華、老舗には餃子じゃなくてシューマイがある理由などなど、企画ページも盛りだくさん。町中華の魅力をお楽しみください。

 さて、町中華には、町中華探険隊(北尾トロさん、下関マグロさんにより結成された、町中華を食べ歩き、記録する団体。詳しくは本誌をご覧ください)によれば、 “三種の神器”といえるメニューがあるそうです。

 それは「カツ丼」「オムライス」「カレーライス」。この3品がある店は、より理想的な町中華なのだとか。その中でも個人的なおすすめが「カレーライス」。中華のカレーは、カレー専門店では味わえない独特の味で、意外にも各店で個性があるのです。詳しくは誌面に譲るとして、2軒のカレーの違いを見ていただきましょう。

 まずは、神保町の『北京亭』。注文すると、鶏がらスープに油通しした具材とカレー粉が加えられ、中華鍋でざっと煮込まれて完成(カウンター越しに調理の様子が眺められる)。スープのコクが活かされたカレーと、たっぷり入ったシャキシャキのタマネギなど具材が絶妙なバランスで、結構な量があるにもかかわらず、どんどんスプーンが進む一品です。黄褐色のカレーに具材がたっぷり入っているのがわかると思います。

 続いて、柏にある『中華 大島』。ここのカレーは町中華のカレーとは思えないほど本格的。というのも、店主が横浜のカレーの名店で修業していたから。ステンレスの器に入った黒褐色のカレーは、スパイシーなだけでなく濃厚で奥深い味わい。さらに辛さの調節が効くのも素晴らしい(私はちょっとだけ辛くしてもらいましたが、汗が止まりませんでした)。ちなみにこの店、カレー以外にラーメンやチャーハンなど、中華料理のメニューも豊富、やはり町中華なのです。

 見た目だけでなく、味の違いもこれだけの差があるカレー。本誌ではほかにも個性的なカレーを掲載していますので、ぜひご覧ください。

 お店の情報などは誌面でご確認を。前述したように、カレーのほかにも、町中華の定番メニューが目白押し。また、町中華の名店もできるだけ紹介しています。食べてみたいと思ったアナタ、そして町中華に興味をもったアナタ、どうぞ一度、本誌を手に取ってみてください。

中華丼にウズラ卵が入るか否かも町中華好きには重要な点。この店ではウズラなしだが、鶏卵の目玉焼きの店もある。

『北京亭』のカレーライスは、かつては裏メニューだったとか。カレーラーメンもあって、こちらも人気。

『中華 大島』の人気はシャヒジャルカレーだが、私が頼んだのはインドカレー。中華店で味わえるスパイシーさではない。

土屋広道(つちやひろみち)編集長
1972年生まれ。関西学院大学社会学部卒業後の1996年に株式会社弘済出版社に入社(合併を経て2001年に株式会社交通新聞社)。『鉄道ダイヤ情報』『旅の手帖』編集部を経て、2008年より『散歩の達人』編集部所属。2017年11月号より同誌編集長。

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