「伝えたかったのは、『みんながヒーローになれる』ということ」――『100歳ランナーの物語』作者シムランさん来日! (西村書店)

文芸・カルチャー

更新日:2024/4/18

81歳で故郷インドを離れ、子どもたちの住むイギリスへ。

思いたって挑戦したマラソンで、つぎつぎに記録を打ち立て、

なんと、史上最年長の100歳でフルマラソンを完走!

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そんなファウジャ・シンさんをえがいた伝記絵本

『100歳ランナーの物語 夢をあきらめなかったファウジャ』の作者シムラン・ジート・シングさんが、

ご家族との日本旅行の合間をぬって神保町のブックハウスカフェで、

制作時のエピソードや絵本に込めた思いなど、楽しいお話を聞かせてくださいました。

訳者のおおつかのりこさんも駆けつけてくださいましたよ! (2024年3月)

絵本とともに。右端はアメリカで刊行された原書『Fauja Singh Keeps Going』

シムランさんがファウジャさんの物語を書こうと思ったきっかけ

『100歳ランナーの物語』は、シムランさんにとって初めての子ども向けの絵本。

シムランさんがファウジャさんのことを書こうと思い立ったのは、

ニューヨークシティマラソンに参加を決めたのが、

ファウジャさんが100歳でゴールした日と同じ日だったからなのだそう!

絵本作りはどんなふうに進められたのですか?

〈シムランさん〉

絵本を作るにあたっては、ファウジャに3回インタビューをしました。ファウジャはイギリスに住んでいて、パンジャブ語を話すのですが、私にはパンジャブ語がわからないので、英語で書いて、ファウジャのコーチがそれを訳して聞くという方法で、作りました。コーチもこの本に関わりたいと言ってくれたんです。

家族で食事をする場面では、豆のカレーの「ダール」やパンの「ロティ」など、食べ物の名前を入れてほしいとファウジャから言われて、文章に取り入れました。

イラストレーターのバルジンダーさんが、ファウジャさんに密着取材!

〈シムランさん〉

バルジンダーはイギリスに住んでいるので、2日間、ファウジャに密着して、絵を描いてくれました。走っているときのフォームや表情など、細かいところまでよく観察し取材したのです。

巻末のファウジャの写真と、歯をみせて笑っているファウジャの絵、よく感じが出ているでしょう?

絵本にサインを書いてくれているところ

この絵本を通して、読者のみなさんに伝えたいこと

〈シムランさん〉

世界中の子どもたちに、伝えたかったんです。『どこの国の人とか、年を取っているということとは関係なく、みんながヒーローになれるんだよ』ということを。ファウジャの話を通して、日本の子どもたちにもそう伝えたいです。進みつづけよう!「Always keep going!」

『100歳ランナーの物語』見開きサンプルページ
神保町の共同書店パサージュSOLIDAへ。西村書店の本棚に、サイン本を入荷してきました

「日本に来るのは夢だったんだ」と笑顔でお話ししてくれたシムランさん。また遊びにきてくださいね!

4月1日には、ファウジャの113歳の誕生日を祝って、シムランさんがブログに記事を書かれています。下記のリンクボタンより、こちらもぜひご覧ください! 

100歳ランナーの物語 夢をあきらめなかったファウジャ

作:シムラン・ジート・シング絵:バルジンダー・カウル訳:おおつかのりこ監修:金 哲彦

みどころ