『マーカス・チャウンの太陽系』新刊著者インタビュー【後編】制作秘話&見逃せない読みどころ・見どころ

新刊著者インタビュー

更新日:2013/8/9

――所収されている画像の多くは、NASAが約1兆円の予算をかけて撮影したものから厳選したとうかがっています。どれもがとても美しく、観ているだけで宇宙の神秘に触れられるところも本作を手にする価値があると思いました。

糸川:そのとおりです。プラネタリービジョンズというNASAや欧州宇宙機関、JAXAなどの画像データを専門で扱っている会社の存在も大きかったです。彼らが膨大なデータから厳選しましたから、太陽系の天体の、美しく、リアルな画像がふんだんに所収されている図鑑を発行できたんです。
実は、来春に紙の書籍として『太陽系』が出版されます。欧米ではコーヒーテーブルブックと呼ばれる大判の図鑑で、今、日本語版の校正の真っ最中なのですが、送られてくる校正のデザインが素晴らしく美しい。先ほどの「ウェゲナーのジグソーパズル」には年代ごとの詳細な解説がつき、さらに理解が深まる内容となっています。こちらもまた、これまでの図鑑とはまったく違う仕上がりになることを予感させる出来ばえ。ぜひ手に取っていただきたいと思っています。

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まず電子書籍としてリリースされ、その紙の書籍版が後から発売されるのも、極めて稀なこと。それだけ読者を惹きつけるクオリティを実現したのが『マーカス・チャウンの太陽系』です。電子書籍の進化と可能性の新しい波を感じさせる本作は、今年5月、ロンドンで開催されたThe Bookseller’s Digital Innovation Awardも受賞。翻訳は日本語が初で、その他にはドイツ語だけ。この、ダ・ヴィンチ電子ナビのイチオシ作品をぜひ体感してみてください。

電子マーカス・チャウンの太陽系

タッチプレス/App Store/iPad/1200円

数々のベストセラーを世に送り出したサイエンスライターのマーカス・チャウン氏と『元素図鑑』でおなじみのタッチプレス社による、太陽系をテーマとしたビジュアル情報満載のインタラクティブな電子ブック。実際の科学データに基づき、ディテールにこだわって作成された美しい3D素材や動画、画像、アニメーション、イラストが、著者の魅力あふれる文学的な文章を一層引き立てている。

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