世の中の「こうあるべき」から溢れてしまう人にも、SNSは居場所を与えてくれる。『SNSで夢を叶える』著者・ゆうこすと、はあちゅうが豪華対談【第三回】

エンタメ

2017/10/19

 SNSがあったから、自分の居場所を見つけることができた。『SNSで夢を叶える』(KADOKAWA)の著者のゆうこすさんと、元祖SNSの女王、はあちゅうさんの特別対談! はあちゅうさんは小説『通りすがりのあなた』(講談社)を出版。最終回はSNSで自分の武器の見つけ方について語っていただきました。


●ゴールも戦略も、なくていい

はあちゅう 私も、最初から今の自分を想像できていたわけではありませんでした。なんとなくやっていたSNSのコメントで、自分の傾向や好きなものに気づくこともありますね。インスタには、気づけばおいしかった食事の写真ばかりアップしていて、私、ごはんがかなり好きなんだなと気づいたり。それを見たグルメな人たちが集まってきて仕事につながったり。自分を人の目にさらすと、誰かがその中から個性を見つけてくれるんだなと思いました。

ゆうこす たしかにそうですよね。最初にこれしかダメって決めつけるのはもったいない。

はあちゅう 私は今でも自分の文章に圧倒的な自信があるわけではありません。人と比べて落ち込むことも多いです。でも、ただ好きでブログを続けていたら「あなたの文章が好き」と言ってくれる人が現れた。そこから本を出せたり、仕事につながりました。あとはもう、とにかく継続していれば、支持してくれる人が出てきます。一回、自分をさらけ出してみると、そこから夢が見えてくるから、最初にゴールは決めすぎなくてもいいかなと思います。

ゆうこす モデルや歌手になりたいと決めてSNSを始めるのもいいけど、自分にまつわる「好き」を発信し続けるのが大事だと思います。違うと思ったらやりなおすことができるし。ミスを修正する力もつく。どんどん挑戦してほしい。みんな一回失敗したら終わりだと思ってるし、辛いと辞めてしまけど、失敗しても修正して、それを自分のプラスに持っていったらいい。たくさんの失敗は成功のもとだから、大丈夫。

はあちゅう 私は女性の生き方のオプションを見せたいんです。会社員時代、子供を育てたいからと一線を退く女性をたくさん見たんですね。産休復帰したけど、4時に帰らなきゃいけないから現場に行けないとか。産むか仕事するかの2択になると思った。子供育てながら仕事したり、副業しながら生き方を作っていくことってできないのかな、と思って。それを今、自分の人生で実験してる感じです。だから、色んなSNSを使って、こういうことができますよって見せたい。最近はじめた「SHOWROOM」は、グラビアアイドルとか若い子しか使ってなくて、割と場違いだけど、30代でも始めてるよ、とか、生配信って恥ずかしくないよ、面白いよと伝えたい。自分が子供を持つことをリアルに考えるようになったので、執筆や編集の時間が取れなくなっても「生配信」ならできるかなって、思って。これからも自分の人生を実験台にして、いろいろな可能性を見せていきたいです。

●肩書きは、仕事の軸になる


ゆうこす 私はプロフィールに「モテクリエイター」という肩書きを入れています。私がクライアントの立場だったら、ただの「タレント」より仕事を振りやすいと思うから(笑)。いくらSNSで「好きなことはこれです」と言っていても、相手はすべて把握できるわけじゃない。自分の立場を明確にするために、肩書を作るって大事なんじゃないかなと思います。私は最近、「SNSアドバイザー」という肩書も作りました。

はあちゅう 肩書は自分が何をやっていきたいかってことと、仕事の軸ですよね。私はブロガー歴が長くて、各メディアにも顔出しで出ているので、結局何をやっている人なのかよくわからないと思われがち。私は本を書いています、本を見てくださいという意味を込めて「作家」と名乗っています。「はあちゅう」が平仮名でキャラクターっぽいので、肩書は聞きなれたものじゃないとうさん臭さが際立ってしまうと思って、誰でもわかる「作家」がいいかなと思って。「スーパーコンテンツクリエイター・はあちゅう」とかだと、何をやっている誰なのか混乱しますよね(笑)

ゆうこす 確かにそうですね(笑)

はあちゅう 私はネット時代の新しい作家の形を作りたいと思っているんです。もちろん、既存の作家さんたちもリスペクトしていますが、今は本が売れない時代。作家だけで食べられている人は日本に30人ほどしかいないと聞いたこともあります。だから、文章を使ってこういう風にお金を稼げるとか、こんな作品の売り方があるとか、新たな手法を模索して、見せていきたいと思っているんです。

ゆうこす 今回の『通りすがりのあなた』もSNSを使って告知されたんですか?

はあちゅう 書籍って、執筆から発売まで、作家はどう動いているのか意外と知られていないですよね。発売直前まで宣伝ができないのも痛い。私を応援してくれる人や作家になりたい人には、そうした裏事情も知ってもらいたいと思って、今回はフェイスブック上にオンラインサロンを作りました。ここで制作過程や裏話を赤裸々に伝えています。サロンのメンバーにプルーフ(出版前の校正刷り)を配布し、SNSに感想をアップしてもらったりして、発売前から自分でニュースも作る努力をしています。そうしてコンタクトポイントを増やすことで、初めて書店で手に取ってもらえるのかなと思っています。

ゆうこす 私も、『SNSで夢を叶える』は私のファン以外にも読んでほしいと思って、数ヶ月前からSNSでの発信方法を変えていきました。Twitterやブログに「SNSがあったから私はこんなに変われた」「こういう風にSNSを使っている」と書いたり、セルフブランディングについての取材を受けたり、自らビジネス系の仕事をください、と動いたりもしました。

●SNSで夢を叶えよう!


ゆうこす SNSって本当に、夢がある場所だと思います。
 私みたいに嫌いなことができない協調性のない性格の人には特に(笑)。SNSがなくて好きなことを発信できなかったら、どうなってたんだろうって今でも思います。

はあちゅう 私も学校や会社になじめないタイプでした。世の中の「こうあるべき」から溢れちゃう人にも、SNSは居場所を与えてくれる。それが嬉しくて使いこんでいるうちに、夢のキャリアを形成できたのだと思います。自己啓発本で「好きなことをやり続けていたら仕事になる」と、何回読んでもピンとこなかったですが、SNSを使って、これかって実感しました。みんなこれのことを言ってたんだって。

取材・文=渡辺絵里奈