「“こんなの、観たなー”と、記憶の底に残る映画になったらうれしい」 映画『台湾より愛をこめて』落合モトキ インタビュー【後編】

エンタメ

2018/3/23

 台湾を舞台に、夢を追う男2人の珍道中をドキュメンタリータッチで描いた映画『台湾より愛をこめて』では、落合さんと、相方・大野拓朗さんとの絶妙な掛け合いが見どころのひとつ。そんな大野さんが語った夢からふと生まれて来た自身の夢、近ごろ、ハマってしまった本、そして“台湾”から得た暮らしのなかの変化――落合モトキさんの“今”についても訊いた。


おちあい・もとき●1990年、東京都生まれ。96年に子役としてデビュー、その後数々の映画、ドラマに出演。出演作にドラマ『4TEEN』『おっさんずラブ』、映画『桐島、部活やめるってよ』『天空の蜂』『アズミ・ハルコは行方不明』『笑う招き猫』『リンキング・ラブ』『全員死刑』など多数。3月17日(土)より『素敵なダイナマイトスキャンダル』が公開。

「どんな人なんだろう?」。本作での相方が、大野拓朗さんだと聞き、「ちょっと緊張していた」と、落合さんは言う。

「一緒に仕事するのが初めてだったので。でも台本の読み合わせをしたり、一緒にご飯を食べに行ったりしているうちに、仲良くなっていきました。大野くんって、すごく心地よい距離の縮め方をしてくれる人なんです。台湾へ行く前も、衣装は自前で、ということだったので、“どうする、どうする?”みたいな感じで、相談し合ったり」

 ドキュメンタリータッチの映画には、そんな生の2人の関係性も映し出されているよう。そして台湾という場所から受け取ったものも。

「日本ではないところでの撮影は、やっぱりテンションが心なしかあがっている。気持ちのベースが高かったんじゃないかな。雄介と光一は“これから台湾行こう!”って思い立ってすぐに行っちゃうわけですが、それもおもしろい。実際の人生でもそうしたフットワークの良さって必要だなと思いました」

 セリフのなかにあった中国語は「めちゃくちゃ難しかった!」けれど、興味も湧いてきたという。

「習ってみたいなという気持ちが出てきました。仕事の幅もきっと広がっていく」


■今、ラジオに夢中なんです。パーソナリティ、やってみたい!

 2018年の落合さんの出演作は、1月に公開された映画『ROKUROKU』を皮切りに、3月には本作と『素敵なダイナマイトスキャンダル』が公開される。昨年も映画『全員死刑』『笑う招き猫』などに出演した。

「去年は、再びご一緒する方が多かったんです。岡田将生くん、夏菜ちゃん、僕が高校生の頃に出会った助監督の方……。それまでは、初めての出会いを新鮮に感じていたのですが、そんな仕事上の二回目も嬉しいものだと。みんなもこの仕事を続けているし、自分も続けている。それって、すごく幸せなことだなと改めて感じました」

「“一時期は邪魔にならないように”って考えていたこともあったけど、今は“出演するからにはなにかを残せるように”と欲張りになってきた」と、自身の役者としての姿勢の変化を語る落合さん。今、抱いている夢は何だろう?

「健康第一(笑)。そして、もっと飛躍したいですね。大野くんと一緒にインタビューを受けたとき、彼が、自分たちは影響力のある仕事をしているので、それを生かして何か影響をおよぼすことをやってみたいと言っていたんです。たしかにそうだなと。自分なりのそれを探すことが、今の自分のひとつの夢かもしれません。そして、僕はラジオが大好きなので、パーソナリティをやってみたい。好きな人をゲストに呼んで、ただ、ワチャワチャ喋っているだけ、みたいな(笑)。それが実現したら、第1回目のゲストは、柄本時生くんと賀来賢人くんがいいな。20代前半の頃、よく一緒に遊んでいたんです」


 そんな落合さんが、最近読んだ本は、「アルコ&ピースのオールナイトニッポン」のヘビーリスナーが主人公の『明るい夜に出かけて』(佐藤多佳子著)。

「大好きなアルコ&ピースさんとラジオ番組が小説に出てくるというので、興味本位で読んでみたら、めちゃくちゃハマってしまって。ラジオ愛が溢れていて、すごくドラマチックな物語なんです」

「以前は音楽ばっかり聴いていたけれど、今はラジオ」とシフトチェンジしてきたように、ここ数年で居心地のいい自分の場所が変わってきたという。

「何かきっかけがあったから、というわけではないんです。以前は、夜は誰かと会って、酒場に行って、みたいな感じだったけど、今は自分の部屋でのひとりの時間が好きになってきました。そんなプライベートな時間のなかで、台湾に行ってからよくするようになったのが、半身浴。あと、あちらでよく食べていた生姜を食べることも。汗がよく出て、次の日、すごく身体が軽いんです。生姜を入れた味噌汁や鍋をよく作っています」

 暮らしのなかに変化をもたらしてくれた『台湾より愛をこめて』は、落合さんにとって、思い出もいっぱいの大切な一作になったに違いない。

「僕が演じる光一は夢を諦めた人なんですけど、その“諦める”とは、後ろに引くということではなく、“諦める”という一歩だったのかなと思うんです。夢を諦めることが、その人の人生にとって、終わりになるわけでは決してない。それは新しい始まりでもある。そんなこともこの映画を観て感じていただけたら。とっても気楽に観られる映画だし、上映時間も61分と短くて観やすい。主人公たちと同年代の方たちはもちろん、いろんな年代の方に気楽に観ていただきたいですね。“こんなの、観たなー”と、記憶の底に残る映画になってたら嬉しいです」


取材・文=河村道子  写真=海山基明

【前編】「撮影は、ほとんどゲリラでした(笑)」映画『台湾より愛をこめて』

映画『台湾より愛をこめて』
出演:大野拓朗 落合モトキ
岡本夏美 広橋佳苗 梁鈺杰 陳宏亮/宇宙 長谷川忍(シソンヌ)
監督:三原慧悟 脚本:三浦駿斗 音楽:Nagacho
製作:イトーカンパニー 宣伝・配給:ユナイテッド エンタテインメント 
宣伝協力:ボダパカ
2017年/日本/61分/カラー/HD/ステレオ/デジタル上映
公式ホームページ:http://taiwan.united-ent.com/
(c)「台湾より愛をこめて」製作委員会

●公開詳細
【東京】3月24日~ 新宿シネマカリテ
【愛知】3月24日~ イオンシネマ名古屋茶屋
【大阪】4月7日~ あべのアポロシネマ、4月14日~ シアターセブン
ほか全国順次公開!
3月16日~ 撮影地でもある台湾での上映も決定!!

漫才師として成功することを夢見るも、コンビを解散し、別々の道を歩んでいた雄介(大野)と光一(落合)。「3人の夢が叶ったら、もう一度この場所で再会しよう」――5年前に台湾で出会った歌手志望の女性・リンとの約束の地へ2人は向かう。夢を捨てきれずピン芸人として活動を続ける雄介、会社員として働く光一の珍道中は、くだらない話で盛り上がったり、些細なことでケンカしたり、メイという少女(岡本)と出会ったり……そして2人はもう一度、人生を見つめ直していく。