東大王・伊沢拓司が教える、クイズ上達の秘訣とは…?――最強クイズ100執筆秘話【インタビュー(5)】

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公開日:2018/8/24

 東大クイズ王・伊沢拓司が「言葉」「謎解き」「社会」「科学」「文化」「恋愛」「ライフ」「スポーツ」の8つのジャンルのクイズ問題&解説を全て書き下ろした書籍『思考力、教養、雑学が一気に身につく!東大王・伊沢拓司の最強クイズ100』が2018年7月5日に発売されました。

 中学生の頃から高校生クイズ界をリードし、クイズの名門・開成中高の礎を築いてきた伊沢氏。「僕の人生の半分はクイズでできている」と語るほど、クイズを愛してやまない彼が10年近く探求し続けてきたクイズは、単に「知識」を問うだけのものではなく、解き手の興味の幅を広げ「思考力」を鍛える、より高次元なクイズです。

 そんなクイズの面白さや奥深さを最大限に引き出した書籍が、これまでクイズに触れてこなかった若者にも受けています。今回は、伊沢氏に書籍にまつわるインタビューに答えていただきました。5回に分けて連載いたします。

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――『最強クイズ100』で「人生の半分がクイズでできている」という伊沢さんの言葉がとても印象的でした。具体的に普段の生活のどんな場面でクイズのことを考えていらっしゃいますか。

伊沢拓司氏(以下、伊沢):クイズの秘訣はなによりもまず、前回述べたような「知ることを楽しむ」ことです。楽しく知ったことは印象にも残りやすいですし。

 そしてより「上達」にフォーカスするのなら、「常に自分にクイズを出し続けること」だと思います。より砕いた言い方にするならば「つねに自分に問いかけ続けること」です。

「あれ、最近よく聞くダイバーシティって聞き流してるけどどういう意味だっけ?」「AIだなんだ言っているけど結局どういうことやねん」という自分への問いかけがクイズの種です。些細なことに疑問を持ち、流さずに調べる。そしてそれを繰り返し定着させる。思い出せないことがあってもすぐ調べず思い出せるまで粘る。このようにして日常から自分の知識を外の世界に開いておく、外の世界と自分を比較することこそが、クイズ上達の秘訣です。

 ゆえに、普段の生活の全てが僕のクイズです。今回の本でも、電車のドアに張ってあった広告から作った問題やハサミでモノを切っているときに思いついた問題などを収録しています。いろいろな日常の行動の裏側で、常に何%かは「クイズの種探し」に意識を割いているような状態です。ゆえに、僕の人生の半分はクイズでできているのです。

――5回に渡って、骨太なインタビューに回答いただきまして、本当にありがとうございました!伊沢さんのクイズ愛が、ひしひしと伝わってきました。次回作も期待しております。最後に『最強クイズ100』の読者に一言メッセージをお願いいたします!

伊沢:「ダ・ヴィンチニュース」で僕のインタビューをお読みくださりありがとうございます!
 僕がクイズをやっていてよかったと思う瞬間の一つが、「クイズで覚えたことに日常で再開する」瞬間です。何か知識に出会った時に「あ、これ伊沢の本で読んだな」という瞬間が皆様に訪れるなら、この本を書いた甲斐があるというものです。
 気合を入れて、かつ誰にでも正解のチャンスがあるようなものを揃えました。一問でも皆様の心に留まれるような問題がありましたら幸いです。

伊沢拓司
日本のクイズプレーヤー&YouTuber。1994年5月16日、埼玉県出身。開成中学・高校、東京大学経済学部を卒業。現在は東京大学大学院、東京大学クイズ研究会(TQC)に在籍。「全国高等学校クイズ選手権」第30回(2010年)、第31回(2011年)で、個人としては史上初の2連覇を達成した。TBSのクイズ番組「東大王」では東大王チームとしてレギュラー出演し、一躍有名に。2016年には、Webメディア「QuizKnock」を立ち上げ、編集長を務めている。