毎日体重計に乗らないことが大事! もうリバウンドだって怖くない『体幹リセットダイエット』インタビュー後編

健康・美容

公開日:2019/2/22


前編】では、『体幹リセットダイエット』著者の佐久間健一さんに、シンプルなエクササイズなのにやせられる理由について伺いました。他の体幹ダイエット本との違いや、本当に必要なエクササイズについて分かっていただけたでしょうか? 【後編】では、食事制限の考え方や、ダイエット中にモチベーションを保つための方法などを紹介します。

佐久間健一さん
パーソナルトレーナー、ボディメイクトレーナーとして活躍。モデル体形ボディメイクスタジオ「CharmBody」の代表として、表参道、銀座、名古屋、大阪、ニューヨーク、ロサンゼルス、シンガポール、上海にパーソナルジムを展開。ミス・インターナショナルの日本代表をはじめ、一流モデルから一般人まで幅広くボディメイクを行う。トレーナー歴10年の経験を生かし、2017年に『モデルが秘密にしたがる体幹リセットダイエット』(サンマーク出版)を上梓。発行部数120万部を突破、テレビなどに取り上げられて話題に。

もうリバウンドだって怖くない!

――第一弾『体幹リセットダイエット』では、エクササイズに加えて、一生太らないための食事のコツも紹介されています。良質のタンパク質を積極的にとるといいそうですが、豆腐などの大豆類がタンパク源としてすすめられていないのが意外でした。

佐久間 豆腐はタンパク質ではなく、どちらかというと脂質ですね。脂質はお腹を膨らませたい時にいいですし、食事のカサを増やすために食べるのはアリだと思います。

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――いわゆる糖質といわれる炭水化物については、制限はあるものの、完全になくさなくてもいいのですね。

佐久間 基本的に、糖質は摂ったほうがいいです。糖質は体脂肪を燃焼するのに必要で、糖質を摂らないとエクササイズをしてもやせないという不思議な現象が起きてしまいます。他にも、糖分を摂らないと筋トレをしても筋肉が減ったり、リバウンドしやすくなったり、といったことが起きやすくなります。糖質をうまく摂ることで使える筋肉を増やし、基礎代謝を上げるのが、ダイエットには一番効率がいいと思っています。

――炭水化物が食べられるのは嬉しいです。完全に抜いて、ふと気が抜けた瞬間にリバウンドしてしまった、という話も聞きますので…。

佐久間 ずっと糖質を抜いて生活するのは難しいですよ。たまには甘いものを食べたいし、お餅やおせんべいも食べたくなりますよね。

――リバウンドには深刻なものもありますが、それをカバーするエクササイズも紹介されていて、心強いと感じました。

佐久間 リバウンドは怖いですよね。何を食べたかにもよりますが、一度経験してしまうと、普通にエクササイズをしてもやせないんですよ。なぜかというと体重が戻ったのではなく、筋肉量が落ちて、代謝も落ちて、体脂肪が元より増えた状態だからです。前と同じことをしてもやせないから、どんどん泥沼にはまってしまう。そういった方には、リバウンドした方向けのエクササイズを紹介しましたので、ぜひ試してみてください。


目標を達成したら一生ダイエットから卒業できる

――「体幹リセットダイエット」がすごいのは、基礎代謝が一度上がってしまえば、一生ダイエットをしなくてもいい体になることでした。

佐久間 そうですね。パーソナルジムでも、トレーニングを終えた方には、メンテナンスとして行う項目を3つほど渡して、それをたまにやってもらうくらいです。簡単なエクササイズですね。食事のほうは、食べすぎなければ大丈夫です。

――しかも、プラスの効果がいろいろあって、女性特有の冷えや腰痛からも解放されるという。

佐久間 筋肉量が減ると、関節の動きが悪くなってギックリ腰にもなりやすくなりますし、筋肉を動かす量が少なくなると、副交感神経が優位になる関係で、ホルモンの分泌に影響が出て冷えにつながります。体を温めるといわれる食材もありますが、それだけでは根本的に治すのはなかなか難しいと思います。

――本当に完璧なダイエットだと思いますが、トレーナーとして困ってしまうような相談を受けることはないのでしょうか?

佐久間 似合う体形になりたいとなりたい体形が違う方はいますね。メリハリのある体形になったらもっと美しい方なのに、とにかくメリハリをなくしたい方もいます。骨格を考えたら似合わないと説得するのですが、やってみないと本人も納得できないと思うので、一旦メリハリをなくすボディメイクをします。それで、「やっぱりメリハリがほしい」と言われて似合う体形に作りなおすことも多いです。

――あくまで、やせられることが分かった上での悩みなんですね(笑)。

毎日体重計に乗らないことが大事


――陸上競技に取り組んでつらい想いをされたご自身の経験から、体重の変化に一喜一憂しないでほしい、体の変化を日々感じてほしい、とおっしゃっていた言葉が心に響きました。

佐久間 「このパンツがはきたい」とダイエットを始めたはずなのに、体重に一喜一憂する方が多いですね。やせたことが一番分かるので数字はやっぱり大切ですが、数字に縛られすぎないでほしい。目標を達成したのに、体重があまり落ちていなくてテンションが上がらない、という方も多いんです。朝、体重を測って500g増えてただけなのに、1日テンションが低いまま過ごさないといけないなんて、もったいないですよね。

――研究にもとづいたものとはいえ、「体幹リセットダイエット」は、わずかなエクササイズで、炭水化物も食べていい、とダイエッターへの優しさを感じます。

佐久間 日々を楽しんでほしい、という気持ちはあります。たとえば、食事って人の幸福度を上げてくれるものですが、体型や体重に縛られすぎると、食事がつまらないものになってしまう。基礎代謝が上がっていけば、糖質を食べても太りにくい体になって、幸福度は上がっていきますから。

――ダイエットの最終目的はやはり美しくなることだと思いますが、佐久間さんが考える「美しい人」とは?

佐久間 目標を持って、そこに一歩ずつ進んでいくことに、人は幸福を感じるはず。何かを達成した時って嬉しいじゃないですか。だから、いつでも目標を持って着実に進んでいる人は美しい人だと僕は思います。ダイエットでもそれが大事。8キロやせますっていう大きな目標じゃなくても、今週はケーキを食べないようにするとか、ポテチを1袋減らすとか、1週間ごとの小さな目標でもいいんです。そうすれば、一歩ずつ進みながら美しさに磨きをかけていける思います。

――そう考えれば、ダイエットを楽しむことができそうです。では、佐久間さんの今後の目標は?

佐久間 みなさんの体型の悩みをなくすためにこれまでやってきたので、それを全世界に伝えていきたいです。自分で話していても、壮大すぎるように感じますが(笑)。ただ、自分が1か国ずつ回るには時間が足りない。だから、影響力が大きいアメリカに渡り、ニューヨークとロサンゼルスを拠点にして、トレーニングを世界中に発信していく準備を整えているところです。

――世界中の人がこの本を手に取る時が来るかもしれないのですね。最後に、ダイエットに悩みを抱えている人にメッセージをお願いします。

佐久間 現代の人ってものすごく忙しくて時間がない一方で、情報量は多いじゃないですか。街中やネットで約300ものダイエット広告を目にしているといわれています。たくさんありすぎて、どれに時間を費やす価値があるのか分かりませんよね。この本は、ダイエットのすべてをお伝えする本です。「この2冊さえあれば、お金や時間を費やしてジムに行く必要がない」を目指してつくったので、忙しい方にもぜひ一度試していただきたいです。


【前編】下腹やせに腹筋は逆効果だった!? モデルが秘密にしたがる“本当の体幹ダイエット”って?

取材・文=吉田有希 撮影=内海裕之 取材協力=BRENTWOOD TERRACE