川口春奈さんが選んだ1冊は?「同じ年に“デビュー”したこの本は、自分の軸みたいなものになっている」

あの人と本の話 and more

公開日:2022/6/10

川口春奈さん

 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、川口春奈さん。

(取材・文=河村道子 写真=TOWA)

 2007年の刊行以来、ロングセラーを続けるこの本と川口さんの間には強くて不思議な“縁”がある。

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「私もデビューが2007年なんです。これから仕事をしていくんだ、というとき、マネージャーさんに初めていただいた本で、好きな本というより、教科書みたいな一冊。当時、13歳だった自分がこれから大人に囲まれて仕事をしていくというとき、大切なことを教えてくれた本です」

 ゾウの姿をした神様ガネーシャが、夢をなくしたサラリーマンを成功に導く一冊は笑って泣けて役に立つ。

「ガネーシャに説教されている気持ちになりましたね(笑)。彼の言葉のなかで今も大切にしているのは“身近にいる一番大事な人を喜ばせる”という言葉。人間は自分にとってどうでもいい人には気を遣うくせに一番お世話になった人や自分を好きでいてくれる人を無下に扱うんだよね、たとえば親とか、というガネーシャの言葉は、大事な気付きを与えてくれた。デビュー以来、この言葉は人との向き合い方に対する自分の軸みたいなものになっています」

 一昨年放送されたドラマの大ヒットがこの夏、スクリーンに!『極主夫道 ザ・シネマ』では、パワーアップした爆笑コメディのなか、川口さん演じる元極道の夫・龍(玉木宏)の妻・美久も変わらぬ軸を携えている。

「2時間という限られた時間のなかに、笑い、家族の愛、アクション、カーチェイス……と、いろんな要素がてんこ盛りストーリー。そのなかで美久は、ドラマ作品と同様に不器用なところ、ドジな部分も含めて、憎めない可愛らしいキャラクターであることが、観る方に伝わったらいいなと思いました」

「とにかくいっぱいふざけた人が勝ちみたいな(笑)」撮影現場を思いきり楽しんだのと同時に、川口さんが改めて痛感したのは「コメディを演じることの難しさ」だったという。

「演じる側が明らかに笑わせにかかると観ている方はサムくなってしまうと思うんです。いかに狙わずに、観る方から自然に笑いを引き出すことができるか、セリフの間合いやトーンなど、幾度もチェックしつつ、けれど振り切って演じていました」

 本作では龍をめぐり、恋愛バトルも勃発! さらに謎の子供の登場によって母性も爆発!と、美久の新たな一面が次々と現れてくる。

「何も考えずに笑っていただけたら(笑)。世代を問わずに楽しめる映画だと思うので、たくさん笑って、デトックスしてください」

ヘアメイク:SHIZUE スタイリスト:木津明子

かわぐち・はるな●1995年、長崎県生まれ。2007年「ニコラ」オーディションでグランプリを獲得し、モデルやCMで活動した後、09年、女優デビュー。出演作に大河ドラマ『麒麟がくる』、映画『一週間フレンズ。』『九月の恋と出会うまで』『聖地X』など多数。現在、連続テレビ小説『ちむどんどん』に出演中。

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映画『極主夫道 ザ・シネマ』

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原作:おおのこうすけ(『極主夫道』新潮社バンチコミックス) 監督:瑠東東一郎 出演:玉木 宏、川口春奈、志尊 淳、松本まりか、吉田鋼太郎ほか 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 全国公開中 
●伝説の極道が足を洗って専業主夫に! 保育園を狙う極悪地上げ屋に対峙することになった龍(玉木宏)の元に集まってきたのはクセの強すぎる面々。隠し子騒動に恋愛バトル、腹筋崩壊の笑いの頂上決戦、開幕!
(c)2022「極主夫道 ザ・シネマ」製作委員会