きっと一緒でずっと一緒…にっこり笑えてほろりと泣ける“癒し系猫漫画まとめ”

マンガ

更新日:2018/11/5

 近ごろは、猫が主役の癒し系コミックが数多く発売されている。どんな作品を手にとったらよいのか悩んでしまう方もいるのではないだろうか。そこで本稿では、猫のかわいさを存分に感じられる癒し系猫コミックをいくつかご紹介していこう。

■Twitter発の話題作! 売れ残り猫・ふくまるとおじさまが紡ぐ心温まる日常

「お前に出会えたことが幸福だから、ふくまるだよ」——そんな優しい言葉が読者の涙腺を刺激する『おじさまと猫』(桜井 海/スクウェア・エニックス)はTwitter上で話題となり、「次にくるマンガ大賞 2018」のWebマンガ部門にて2位に輝いた大注目作品だ。

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 物語の主役となるのはペットショップで売れ残っていた1匹の成猫・ふくまると、ひとりのおじさま。おじさまは、日に日に値段が下げられ、誰からも見向きされなかったふくまるを家族として家に迎え、ふたりは心温まる日々を築いていくことに。第1巻には、描き下ろし新作エピソードが収録されており、第2巻は11月22日に発売予定。自然に笑顔や涙が溢れる本作は、心を潤してくれる1冊だ。

■ともに白髪が生えるまで…実写映画化も決定した老人と猫のハートフルコミック

 愛する人に先立たれると、人は心が脆くなってしまう。しかし、支えてくれる誰かがそばにいたら、人は強くいられるはず。そう感じさせてくれる力が『ねことじいちゃん』(ねこまき/ KADOKAWA・メディアファクトリー)にはある。おばあさんに先立だれた大吉じいちゃんは、猫のタマとふたり暮らし。ふたりの毎日は穏やかで、特別なことは何も起こらない。だが、平凡な日々を積み重ねていけるということが、2人にとってはかけがえのない幸せになっている。「ともに白髪の生えるまで、きっと一緒でずっと一緒」と誓い合う2人の物語は2019年2月22日公開で実写映画化される。映画は動物写真家の岩合光昭氏が初監督を務めるとのことなので、こちらも要チェックだ。

■愛犬が子猫を拾ってきた! 大型犬と2匹の子猫が繰り広げる“家族のものがたり”

“ある日突然、愛犬が子猫を拾ってきたら?”をテーマにしている『うちの犬が子ネコ拾いました』(竜山さゆり/小学館)は、真面目で優しい大型犬・ペリタスとやんちゃな2匹の子猫の交流にほっこりさせられる作品だ。とある小説家に飼われているペリタスは、散歩中、捨てられていた2匹の子ネコに出会う。そして、2匹を放っておけなかったペリタスは、ご主人様に内緒でこっそり屋敷に連れ帰ることに…。果たして、ペリタスは2匹の猫を匿い続けることができるのだろうか。少女漫画誌『Cheese!』(小学館)で人気を博した本作には、犬と猫のピュアな心が丁寧に描かれている。かわいくて楽しくて、キュンとする“家族のものがたり”に読者は泣き笑いしてしまうはずだ。

■東京でぶらりと猫散歩! 丁寧な店舗取材が伝わる新感覚猫コミック

 東京にあるさまざまな猫スポットをコミカルかつ、かわいく紹介してくれるのが『まんが ねこねこ横丁 東京かんばん猫』(ねこまき/ホーム社)だ。物語の舞台は、レトロモダンな「ねこねこ横丁」。観光案内所の「ねこ長」が案内するのは、さまざまな町で愛され続けている実在のお店と縁あってそこで暮らしている看板猫たち。

 本作はお店に入念な取材を行っているため、内容が濃い。たとえば、メディアでも取り上げられることが多い「猫本専門神保町にゃんこ堂」の誕生秘話が知れるのも猫好きにとっては堪らないポイントだろう。おすすめの猫スポットが知りたいときは旅行情報誌に頼ってしまいがちだが、本作を参考にすれば、また違った猫旅ができそうだ。

■真ん丸シルエットに癒される! 微笑必至なあるある漫画

 どこか頼りない顔をした真ん丸なシルエットの猫に視線を奪われる『ネコノヒー』(キューライス/KADOKAWA)は、明日への活力を与えてくれるおもしろ猫コミックだ。かわいそうなのになんだかかわいく見えてしまう残念な猫「ネコノヒー」は日々、さまざまなことにチャレンジするが、どうも上手くいかない。それでも歩みを止めようとせず、果敢に挑戦し続けるのがネコノヒーの長所。哀愁漂うネコノヒーは、たくさんの微笑を呼ぶ。ゆるいイラストで描かれるネコノヒーの日常には、誰もが共感できる「あるあるネタ」が満載。うまくいかない日々に悩んでいたり、仕事疲れで癒しが欲しかったりする方にこそ、そっと開いてみてほしい作品だ。

 猫のかわいさが詰まった全5作の猫コミックは、じんわりと心に染みる。作者たちの猫愛が詰まっている個性豊かな猫コミックを見ていると、猫が人から愛され続けている理由もなんとなく分かるだろう。

文=古川諭香