愛しているなら抱いて欲しい! 妻たちの叫びを描いたセックスレス&不倫マンガまとめ

マンガ

更新日:2020/8/4

 愛はあっても、妻や夫とは「したくない」…。孤独感、自信喪失…どんなに心が痛くても、「性的な話題ははしたない」という呪縛ワードのもと、苦しみをひとり胸にしまってきた人も多いのではないだろうか。追い詰められた結果、婚外に恋を求めてしまう人もいる。妻にも夫にも読んでもらいたい「セックスレス&不倫」をテーマにした恋愛マンガ5作品をまとめた。

■妻公認の「夫の恋人」 婚外恋愛が夫婦にもたらすものは?

 なんで心だけじゃガマンできないんだろう…。セックスのややこしさをめぐって、意外な夫婦のカタチにドキッとさせられるのが『1122』(渡辺ペコ/講談社)だ。

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 一子(いちこ)と、二也(おとや)は結婚7年目の仲良し夫婦。趣味も合うし、こまやかな心遣いで支えてくれる二也は一子にとって理想の夫だった。夫に「恋人」が居ることを除いては…。

 もともと夫の婚外交渉は、「心さえつながっていれば、セックスの外注は合理的」と考えた一子からの提案だった。だが夫が恋にのめり込んでいくにつれ、一子の「凪」は揺らいでいく。「家族」ではあるが恋愛対象としては突き放される一子の姿に胸が痛む。

 波風を乗り越えて、2人は「いいふうふ」になれるのか? 夫の恋人、美月とのドロドロの展開も目が離せない。

■好きなら求めて欲しい妻、気持ちはあっても抱けない夫。妻が見出した希望とは

 愛されている実感が欲しくて身体のつながりを切望する妻、それを拒む夫。それぞれの心情が胸に突き刺さるのが『あなたがしてくれなくても』(ハルノ晴/双葉社)だ。

 主人公のみちはレスに苦しんで2年になる。哀しみと屈辱をこらえ幾度となく夫にレスの辛さをぶつけても、のらりくらりとかわされるばかり。ついに虚しさに打ちのめされたみちだったが、心の隙間を埋めてくれたのは、同じく妻からの拒否に悩む会社の先輩、新名だった——。

「喉も乾いていないのに、味も臭いも分かり切っている飲み物はいまさら飲めない」という夫と、いつも同じ飲み物でも「おいしいし、安心感がある」という妻の間に横たわる大きな溝。「あなたがしてくれなくても」という意味深なワードが示す未来には、どんな結果が待つのだろうか。

■主婦だけど、「いいおかあさん」でいたいけど、大好きな人ができました

「いい母親」と「いつまでも女」の間で揺れる女性におススメなのが『ふれなばおちん』(小田ゆうあ/集英社)。

 主人公の夏は普通の主婦。自分がキラキラするよりも家族の笑顔を大切にしたいから、今日も寝起きのボサボサ頭で美味しい朝食をつくる。

 だがそんな夏の姿に、夫は少しだけ不満があって…。オバサンと化した妻に女を取り戻して欲しいと考えた夫は、イケメン部下の佐伯に妻を誘惑することを頼む。人間的な魅力あふれる夏に惹かれていく佐伯。いつしか夏の心も揺らぎはじめる。

 本気の恋と家庭という宝物の間で葛藤する夏の姿は、「もし本当にこんな出逢いが訪れてしまったら…」と自分を重ねてしまうほどリアル。恋の切なさと現実の重みがド直球で迫る、読み応えある作品だ。

■「人妻」の甘い響き——禁断の魅力に溺れる

 不倫のドキドキを短編のオムニバスで手軽に楽しみたい人には『金魚妻』(黒澤R/集英社)がおススメ。はんなりとお色気あふれる美麗なタッチで、タイプの異なる美女が次々に登場し、「人妻」の魅力を思う存分堪能できる。妻たちは、なぜ一線を越えたのか?

 粗暴で浮気性の夫に悩む人妻が、癒しを求めて金魚店を訪れる「金魚妻」は、和の情緒ただようエッチがなんとも扇情的。「出前妻」では、蕎麦屋に嫁いだ主人公が出前先の常連客と秘密の関係を持ち…。その他、意外な展開が待ち受ける「弁当妻」「見舞妻」も収録。なお「金魚妻」たちは続巻にも登場するので、気になるその後もぜひ追ってみたい。

 本まとめ記事内では唯一の青年誌掲載作品でセクシー度も抜群。刺激を求める人にはイチ推しだ。

■恋する乙女は、「おとなのオモチャ」にだって本気なんです!

 最後は明るく笑えて考えさせられる『情熱のアレ』(花津ハナヨ/集英社)を紹介。テーマはずばり女性向けアダルトグッズ。

 OLのマキは、草食性の彼とのレスも3年目に突入。愛されている実感がほしい!とベッドでひとり涙するマキだったが、ひょんなことから母の経営するアダルトグッズの店を手伝うことになる。

 もともと下ネタも苦手だし、肉食系の女性が苦手な彼にはこのことを絶対知られたくないマキは、グッズへの拒否反応でいっぱい。だが仕事に情熱を燃やす仲間との出会いを通じて心境が変化していく。彼との関係にも変化が訪れるが、恋の行方ははたして…?

 リアルの世界でも“セルフプレジャー・アイテム”としてヘルシーなイメージに変わりつつあるグッズたち。本作品もエッチのタブーを明るく乗り越え元気をくれる。

 セックスに関する話題はセンシティブなものだけに誰にも相談できずに悩んでいる人も多い。紹介したコミックを読めば「悩んでいるのは自分だけじゃない」と思えてくるだろう。コミックならではのドキドキや、セクシーなシーンを思いっきり楽しんでみるのもおすすめだ。

文=綾浜 悠