“少女文学”作家・紅玉いづきの青春ミステリ2部作が同日発売! すべてを知ったとき彼女たちの嘘と真実にきっと涙する――

文芸・カルチャー

公開日:2023/9/13

今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる
今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる』(紅玉いづき/ポプラ社)

“少女文学”作家の紅玉いづきが贈る、青春ミステリ2部作が2023年9月5日(火)に発売された。一つは父親の死の真相を追い求める少女を描いた『今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる』、もう一つは嘘を背負って生きる双子の青春ミステリ『今宵、嘘つきたちは光の幕をあげる』。最後にすべてが繋がる2つの物語は、早くも読者家の間で大きな話題を呼んでいるようだ。

 同作の著者・紅玉いづきは、デビュー作『ミミズクと夜の王』でいきなり第13回電撃小説大賞の大賞に輝いた人気作家。これまでに『MAMA』や『雪蟷螂』など、絵画のような鮮やかさのある作品を世に送り出してきた。

 特に逆境をも糧にして、我が人生を歩んでいく少女たちを描く作風がファンを魅了しているようで、今回発売された2作品も魅力溢れる少女たちが主人公に据えられている。

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『今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる』の舞台は、首都・東京を襲った大地震から1年が経った経済特区・湾岸カジノ。主人公は、天涯孤独の少女・マリナだ。彼女の唯一の肉親である父親はカジノ特区の責任者で、なぜか開発の際に突然自殺してしまう。

 父はどうして死ななければならなかったのか…。どうにかして父の死の真相を突き止めたい彼女は、ある日経済特区を象徴する少女サーカスの団員募集を目にする。そこで空中ブランコ乗りを目指すことにしたマリナは、やがてカジノ特区で絶大な権力を持ちながらサーカスに反対する謎の男・鷲塚と出会い、ある真実に直面することに――。はたしてその内容とは?

 煌びやかな世界の裏でうごめくカネと欲望、そしてサーカスへの喝采と観客(ファン)からの熱烈なファンレターに、“嘘”で立ち向かう少女の熱狂青春ミステリー。近未来的な世界観でありながらも一度読むと誰もがその作風に魅了されてしまうようで、SNS上には早くも「文章に引き込まれ、没入させられ、登場人物たちと同じような感情の揺さぶりを受けた」「少女だけのサーカス団を舞台にした辛くて眩しい群像劇。読む進める手が最後まで止まらなかった」「ショウビズの光と闇のパワーを肌で感じることができる稀有な一冊」などのさまざまな感想が寄せられている。

 ちなみに『今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる』だけでも十分楽しめるのだが、同日に発売された『今宵、嘘つきたちは光の幕をあげる』を読むと、物語の深みがグッと増す。同書は、過去に『ブランコ乗りのサン=テグジュペリ』として刊行されていた著書。しばらく絶版となっていたのだが、改題し加筆され『今宵、嘘つきたちは光の幕をあげる』として再び読者の元に舞い戻ってきた。

 同書にはカジノ特区がオープンしてから長い月日が経った東京を舞台に、2人の少女が命を燃やす物語が綴られている。時系列的には『今宵、嘘つきたちは影の幕をあげる』が先で、『今宵、嘘つきたちは光の幕をあげる』がその後の話を描いているようだが、最後の最後で物語が交差する仕組みになっているという。

『死にたがりの君に贈る物語』の著者・綾崎隼も「この本は絶対に、誰かにとって一番特別な物語になります」と推薦文を贈っており、さっそく2冊を読み終えた人からは「全部読んでからなるほど、青春ミステリだ!と納得しました」「2つの物語が交差したところで鳥肌がとまらなかった」などのコメントが溢れていた。

 物語の結末が気になる人は、さっそくチェックしてみてはいかがだろうか。すべてを知ったとき、彼女たちの嘘と真実にきっと涙するに違いない…。

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