『ポケモンのしま』コンビの最新作は大人も楽しめる一冊? 新作絵本『ミライチョコレート』でチョコレートの何たるかを学ぶ

文芸・カルチャー

公開日:2024/1/19

ミライチョコレート
ミライチョコレート』(ザ・キャビンカンパニー/白泉社)

 チョコレート――。それは言うまでもなく甘いお菓子の代表格であり、滋養強壮効果があることから古くは嗜好品や薬用として重宝されていた。そんな長い歴史を誇る一方、チョコレートの作り方を一から知っている人はあまりいないだろう。そこで今回ご紹介したいのが、2024年1月19日(金)発売の絵本『ミライチョコレート』だ。

 同書を手がけた「ザ・キャビンカンパニー」は、阿部健太朗と吉岡紗希からなる絵本作家コンビ。ともに大分県出身で由布市の廃校をアトリエとして構え、地元愛の強さから地域の老若男女と交流するイベント「チルドレンフェスティバル」を2年に1回のペースで開催している。

ザ・キャビンカンパニー

 2人が手がける作品は独創的な作風が持ち味であり、2020年に発表した絵本『ポケモンのしま』は人気ゲームシリーズが題材になっていることも相まって大きな話題に。「おはスタ」のYouTubeチャンネルでは当時MCを務めていた声優・花江夏樹による朗読動画が公開され、多くの関心を集めた一作となった。

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 ほかにも2022年に刊行された『がっこうに まにあわない』が「第28回日本絵本賞」を受賞するなど、絵本業界でたしかな存在感を示しているザ・キャビンカンパニー。そんな彼らが今回世に送り出す『ミライチョコレート』は、タイトルの通りチョコレートがテーマになっている。

 物語の舞台となるのは、世の中からチョコレートがなくなった1000年後のニッポン。あるとき主人公の少女・マヤは博物館で“おおむかしの「ほん」”に「チョコレート」の広告を見つけ、そこに記されたチョコレートという食べ物に興味を持ち始める。

 とはいえチョコレートがなくなってからだいぶ年月が経っているため、パパとママに聞いてもあまり詳しくは知らない。そこでマヤは、まだ見ぬチョコレートと巡り合うために冒険へと出発。その先に待ち受けていたのは、「チョコレートとは何か」を知る感動の出会いだった――。

 現代を生きる我々にとっては当たり前の存在で、カカオが原料になっていることは当然の知識として有している人も多いはず。だが詳しい作り方を尋ねられたとして、答えられる人はきっと少ないだろう。そんな知っているようで知らないチョコレートを学べる同書は、子どもだけでなく大人も一緒になって楽しめるはずだ。

 そして物語だけでなく、ザ・キャビンカンパニーが創り出す独特な世界観もぜひ注目してほしいところ。この機会に『ミライチョコレート』を手にとり、改めてチョコレートの何たるかを学んでみてはいかがだろうか。

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