美しすぎる書評クイーン誕生!! 角川×ニコニコ 「夏の生書評バトル 超決勝大会!!」潜入レポート

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2013/8/8

 生放送と書評のコラボ。昨年そんな新しい試みが大きな話題を呼んだ「角川文庫×ニコニコ 夏の生書評バトル」が今年も開催された。
(⇒鳥居みゆきや池澤春菜も参戦決定!夏の生書評バトル開催

 7月28日に行われた「超決勝大会!!」では、1次選考を通過した一般参加者に加え、ゲスト枠より自称小説家(?)の鳥居みゆきさん、昨年も出場した声優・池澤春菜さん、爆笑コメディアンズ秀作さん、昨年、角川大賞を受賞したてこなさん、準優勝のアフランさんなども参戦。昨年以上に凝った演出やパフォーマンスが繰り広げられ、総勢16人による熱い書評バトルとなった。

 見事、角川大賞を受賞したのは、『Another』の書評を行なった“ねぎたん”さんで、視聴者の投票による優勝は、『夜明けの街で』を書評した“Dr. 熱血”さんだった。大賞受賞者のねぎたんさんには、この秋放映予定のTVCMへの出演権のほか、角川文庫夏の文庫フェアの全122冊や、雑誌「ダ゙・ヴィンチ」への書評掲載など豪華賞品が贈られる。

 

  • ねぎたん

    【角川大賞】 ねぎたん
  • Dr.熱血

    【優勝】 Dr.熱血

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書評×生放送のコラボは今後新たなムーブメントを起こす?

 それぞれが3分という短い枠の中で、自由に書評を展開する生書評バトル。通常の書評とはどう違うのか?を探るため、今回、当サイトで電子書籍レビューを寄稿している大学生・木村美月さんと大学院生・アサトー・ミナミさんに急きょユニットを組んでもらい、一般参加者として内側から生書評バトルを体験してきてもらった。

 

木村美月とアサトー・ミナミ
木村美月さん(写真左)とアサトー・ミナミさん(写真右)

 

 今回のルールも昨年同様、角川文庫の作品の中から好きな1冊を選び、3分間で自由に本の魅力を表現するというだけ。つまり、時間内に書評すればどんなパフォーマンスも許されるのだ。出場した16組はそれぞれ4つのブロックに分けられ、その組の中から勝ち上がったものの中から、ユーザー投票による優勝者や、角川書店・井上社長および角川文庫・吉良編集長ほかの審査による角川大賞が選ばれる仕組みだ。

 最初のAブロックから、生放送特有の自由さを活かした書評は展開された。TVショッピングのようなテロップと口調で、『動物農場』のポイントを紹介したWAさん、貞子ヘアーで登場し視聴者の度肝を抜いた上でホラーミステリー『Another』を紹介したねぎたんさんなど個性的な出演者が登場し、なんと前回の大賞受賞者で、今回も有力候補として見られていたてこなさんがいきなり敗退。初戦より誰が勝ち上がるのか分からない展開となった。

 一方、ゲスト枠からは自作の紙芝居で『シャーロック・ホームズの冒険』を紹介した爆笑コメディアンズ秀作さん(Bブロック)、独自の狂気じみた演技で『ドグラ・マグラ』を紹介した鳥居みゆきさん(Dブロック)なども工夫を凝らした書評を展開するが惜しくも敗退。有名人だからといって勝ち進めない厳しい戦いが続き、視聴者も大盛り上がり。

 そして、我らが送り込んだ木村美月さんとアサトー・ミナミさんは、書評ユニット「潮騒のメモリーズ」としてCブロックに登場。魔法使いキキとジジのコスプレをして、『魔女の宅急便』をなぜかNHKの人気朝ドラ『あまちゃん』の名フレーズなどを用いながらコント仕立てで紹介。

 

潮騒のメモリーズ
生書評バトル唯一のユニットとして参戦!

 

 前日カラオケボックスで3時間、当日も2時間練習したかいあって無事終了したものの、なんと同ブロックには池澤春菜さんが!持ち前の声と演技力で父・池澤夏樹の著書『キップをなくして』の素晴らしい書評を展開、ユーザー投票の結果、「潮騒のメモリーズ」は惜しくも敗退となったが、2人は「勝ち上がれなかったのは悔しい。ライブパフォーマンスは緊張するけど超楽しかった。また出場したい」と次回のリベンジを誓っていた。

 他にも、ギターを奏でながら、曲に乗せて書評をしたり、ホワイトボードを使って塾講師風に解説する参加者なども現れ、それぞれ思い思いのパフォーマンスで書評する展開に、視聴者からは「これは書評と呼んでいいのだろうか・・・・・・」、「フリーダムすぎるww」といったツッコミも入りつつ、楽しんでいる様子が見られた。

 同番組にゲスト出演していた批評家・宇野常寛さんは、生書評バトルを見て「今後もっと大規模にニコニコ超会議などで出来れば面白いことになりそう」とコメントすると、角川書店・井上社長も「いろんな可能性が見えてきたのでもっと拡大して面白くしていきたい」と賛同。次なる展開も示唆された。

 

角川書店・井上社長(写真左)と宇野常寛さん(写真右)
角川書店・井上社長(写真左)と宇野常寛さん(写真右)

 

 ネットの普及によって、ブログやSNS、「読書メーター」のようなサービス、amazonのコメント欄など書評を発表する場は増加し、一大コンテンツになりつつあるが、生放送で本の魅力をプレゼンし、すぐに視聴者投票でその優劣をつけるという生書評バトルは、現在書店などで盛んに開催され話題となっている「ビブリオバトル」と同様、ライブパフォーマンスならではの面白さに溢れている。

 ニコニコという場の特性上、ネタ系が多くなりがちではあるが、書評を通して数万人が同時に楽しむことのできるエンターテイメントはかつてなかった。生放送というメディアと書評とのコラボはどのように発展するのか?今後の展開が楽しみだ。

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