作家/家族問題カウンセラー・新川てるえ×ビッグマミィ・美奈子 スペシャル対談 シングルマザーより大変!? 甘くない「継母」の現実とは

ピックアップ

2013/9/27

作家/家族問題カウンセラー・新川てるえ×ビッグマミィ・美奈子

 9月27日にエンターブレインから発売される『継母ですが?もう1つのシンデレラストーリー』。新川てるえさんが電子書籍で発表していた『継母の掟』をコミックエッセイ化した作品で、継母生活が赤裸々に描かれています。本書の帯にコメントを寄せたのは、ビッグマミィとしておなじみ、6児を育てるシングルマザーの美奈子さん。お互いに熱望していた対談が実現したとあって、ビッグダディ一家との継母時代から、シングルマザーの再婚事情まで話は尽きないお2人でした。

もっと早くこの本に出会っていれば離婚せずにすんだかも(美奈子)

美奈子

新川てるえ(以下、S)痛快!ビッグダディ』には、ステップファミリー(子連れ再婚)ならではのトラブルが満載でしたね。

美奈子(以下、M) え、そうですか?

S 印象的だったのは、前妻と継子の写真が入っている写真立てを美奈子さんがわざと割ったんじゃないかと疑われるエピソード。

M あ〜、あれ!!! そんなことをして、あたしに何の得があるっていうんですかね(怒)。清志さん(注:ビッグダディ)が、あたしのことを疑っていたのがホント、ムカつきましたよ。

S 私も似たような経験があったから、テレビを見ながら「継母がこんなことするわけないじゃない」って、美奈子さんを一生懸命擁護してました。

M ありがとうございます(笑)。

S うちの場合は、継子のものがなくなったときに「ママが捨てたんじゃない?」って相方に言われたことがあって……。ろくに探しもしないで疑われて、本当に腹が立ちましたね。

M わかってくれる方がいてうれしいです! 『継母ですが?』を読んで一番感じたのは、「悩んでるのはあたしだけじゃなかったんだ…」ということ。描かれているエピソード、ほとんどに心当たりがありましたから。

作家/家族問題カウンセラー・新川てるえ×ビッグマミー・美奈子

物語はバツ2の春子(36歳)が3度目の結婚をしたところからスタート。
このあと継母・春子には様々な困難が!!

S テレビやご著書『ハダカの美奈子』を拝見するかぎり、美奈子さんはとても強い女性に見えていたので、今の言葉は少し意外でした。

M いやぁ、そんなことないですよ。継母をしていた2年間、いいお母さんになろうと努力していたのに空回りばかりで、「なんでうまくいかないんだろう?」ってずっと思ってたんです。まわりに相談相手もいなくて…。そのころにこの本に出会いたかった〜。そしたら、離婚しないですんだかも!

S 継母に対して、世間の目はまだまだ厳しいんですよ。「覚悟して再婚したんでしょ? 何をいまさら言ってるの」で片づけられちゃう。まるで自業自得と言わんばかりよね。

M だから、継母自身もグチや不満を言えなくなってひとりで抱え込んじゃうんですよね。

S 継母であることがいかに大変か、継母がいかにがんばっているかを知ってほしくて、私はこの本をつくったんです。

M 清志さんとの再婚を決めたとき、「自分の子どもと相手の子どもを分け隔てなく育てていこう。あたしなら絶対できる!」っていうへんな自信があって(笑)。前の結婚の失敗に懲りて、今度こそ幸せになってやる〜って思ってたし、そうなれると確信していたんです。

S でも、現実は甘くなかった?

M 子どもたちとの関係は、自分で言うのもなんですがうまくいっていたと思います。学校から帰宅した継子たちが、キッチンに立っている私に「今日、学校でさぁ」ってその日の出来事を報告してくれたり、授業参観の日程を教えてくれたり。中高生の女の子たちは色々な事を話してくれて、すぐに仲良しになれました。

「子どものために再婚したい」のはシングルファザーの特徴(新川)

新川てるえ

S じゃあ、離婚原因はご主人との関係?

M そうですね〜。育児方針が違うことが多々あって、お互いにそれがストレスになってしまって。

S どんなことで対立したの?

M たとえば、学校に行きたくないという娘に、最初は嫌われたくなくて「そっか〜、仕方ないね〜」って休ませていたんだけど、休み癖がついてよくないなと思ったから登校するように言ったんです。そしたら清志さんは「自分で学校に電話するなら休んでもよし」とか言っちゃって。ケンカの末に、あたしの意見を通して、学校に行かせましたけどね。なんか、そういうことが積み重なってイヤになっちゃって…。

S わが家の場合は、相方は主体性がないというか育児や家のことは君に任せたみたいなスタンスで、それはそれでイヤだったわ。だって私は、相方のパートナーになりたくて結婚したんであって、継子の母になるために結婚したんじゃないから。世のシングルファザーの多くは、「子どものために再婚したい」と言い、シングルマザーは「自分のパートナーが欲しくて恋愛をする」。そもそも、そこからボタンのかけ違いがあるんですよね。

M あ、あたしの場合は少し違ってるかもしれない。さっきお話しした授業参観の件で、子どもたちがあたしには教えたのに、清志さんには言わなかったことにすごい怒っちゃって。要するにあたしに焼きもちを焼いていたんですよ。自分が育ててきた子どもたちをあたしに盗られたみたいな気持ちになったみたい。

S あら、それは珍しいケースですね。

M 前の奥さんが何もしない人で、清志さんがミルクをあげるところからすべて1人で育ててきたし、自営業でべったりしていたからかなぁ。

S なるほど。ビッグダディは父親というより母親的な感情なんですね。

M そうそう、女々しいんですよ(苦笑)。

S シングルファザーは、再婚して育児や家事から解放されてラクになる、悪く言うと再婚相手を家政婦のように考えている人が多いけれど、正反対なのね。

M 家に母親が2人いる、そんな状態だったのかも。再婚してラクになるどころか、あたしに子どもを横取りされた感があったみたい。だからダメになったんだなぁって、最近になって思いますね。

S 家事も育児も積極的にやる男性なんて、ある意味うらやましいなって思いますが、お母さんが2人状態では、ダメよねぇ。

M ですよねぇ。あたしが男になればよかったんでしょうね、うまく役割分担をして……。

S 美奈子さんのようにステップファミリーを解消するケースで、いちばん多い理由はパートナーの理解のなさだと思います。生活習慣の違いや継子との関係、世間の冷たい視線、心ない言動などいろいろ細かい不満が積み重なるのは、ある程度仕方のないこと。ただ、それに耐えられるかどうかは、パートナーとの関係次第ですよね。継母がおかれている状況をパートナーが理解して、「いつもがんばってくれてありがとう」と言ってくれれば救われるんです。

M たしかに、そう思います。いいお母さんになろうとがんばっているのを認めてほしい! ダメ出しなんて絶対にされたくない!

S 前の結婚の失敗を踏まえて「次は必ずうまくいく!」という根拠のない自信を持って再婚したのに、世間にも理解されず、継子との関係もうまくいかない。それでもがんばろうと思えるのは、パートナーへの愛情があってこそ。

M 仕事が忙しくてなかなか手伝えないとしても、感謝の気持ちは言葉にしてほしいですよね。