高校生ライトノベル・コンテスト開催決まる! ―ブンガク!【第18回】―

公開日:2014/1/16

 中高生を中心に大人気の「ライトノベル」(通称ラノベ)。最近ではテレビアニメ化などの影響でファン層も拡大しています。そこで、ラノベって言葉は知ってても読んだことがない、という初心者向けに“超”入門コラムをお届け!代表的な作品の紹介や、楽しみ方について、作家や絵師など関係者への取材も織り交ぜながら、ラノベ風の会話劇でお送りします。毎月第1・3火曜に更新予定!

制作協力:代々木アニメーション学院 / 文=カンダ ユウヤ 絵=ましま


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~ブンガク部~

佐藤唯(笑)
「みなさん、おはようございます」

中島直斗(普)
「あ、おはよう、唯ちゃん」

佐藤唯(笑)
「はい、あと、あけましておめでとうございます」

中島直斗(笑)
「うん、あけましておめでとうございます」

佐藤唯(普)
「ところでほかの皆さんは?」

中島直斗(普)
「ああ、そういえば、兄さん達は確か……」

桜井智樹(笑)
「あ、二人とも来ていたの、おはよう!」

中島直斗(笑) 佐藤唯(笑)
「おはようございます!」

石田健(普)
「あれ、先輩達はいないのか?」

中島直斗(普)
「ああ、そのことなんですけど……」

桜井智樹(普)
「そのこと?」

中島直斗(普)
「あ、はい。実は受験の関係で兄さんと今川先輩はしばらく部活を休むそうです」

佐藤唯(困) 桜井智樹(困) 石田健(困)
「え、ええ~!?」

中島直斗(普)
「だって、もうすぐ二人は卒業も近いですし、だから進学する大学の体験入学に今日は行きましたよ」

桜井智樹(困)
「え、先輩達いつから、受験なの!?」

中島直斗(普)
「多分、時期的にもうすぐだとは思いますけど……」

石田健(普)
「マジで、せめてどこの大学を受けるのかは聞いてないの!?」

中島直斗(普)
「えーと、とりあえずは近くの大学とは聞いてはいます。けど、どこかまでは、その……」

佐藤唯(困)
「あの先輩方もその辺で、質問攻めで直斗君も困っていますよ」

桜井智樹(困) 石田健(困)
「……あ、ごめん」

中島直斗(普)
「まあ、僕は大丈夫だけど、みなさんのほうも大丈夫ですか?」

桜井智樹(普)
「あ……うん。ああ、そうか、先輩方もそんな時期なんだよね、なんか寂しいな」

石田健(困)
「そうだよな、俺も部に入って日は短いけどあの先輩たち、そういえばもう三年生だものね」

佐藤唯(普)
「知らなかったとはいえ、考えては見てみるべきでしたね……」

中島直斗(普)
「……ああ、えと、みなさん、なんか暗いですよ。なんていうか、その、とりあえず、まず明るく行きましょうよ。まずは桜井先輩と石田先輩……想像してみてください(※1)

石田健(困)
「俺ら?」

桜井智樹(普)
「てか、ビブリア古書堂(※1)?」

ビブリア古書堂の事件手帖

「ビブリア古書堂/想像してみてください」(※1)
『ビブリア古書堂の事件手帖』(三上延/アスキーメディアワークス)

鎌倉の片隅で営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主・篠川栞子は初対面の人間とは口もきけない人見知りで接客業を営む者として心配になる女性だが、古書の知識は並大低ではなく、本に人一倍の情熱を燃やす。新人店員・五浦大輔と共にいわくつきの古書に秘められた秘密を解き明かしていく。「想像してみてください」とは栞子が言う台詞の一つ。シリーズ累計の発行部数が470万部を突破した超人気シリーズで、2013年には主演・剛力彩芽でTVドラマ化され話題となったた。

中島直斗(普)
「いいから、まずは……想像してみてください」

桜井智樹(困)
「あ、うん」

石田健(困)
「お、おう」

中島直斗(普)
「兄さんたちが卒業しても何も悪いことばかりではありません。おそらく三年生たちが卒業を迎えれば、その後の部を支えるのは誰だと思いますか?」

桜井智樹(普) 石田健(普)
「……あっ!」

中島直斗(普)
「そうです。必然的に桜井先輩と石田先輩が引き継ぐことになるでしょうね。そう考えてみれば二人からすればこれはある意味、メリットにもなると思うんです。もちろん部を引き継ぐ立場ですからメリットばかりとは行きませんけど……」

石田健(普)
「そっか、次、俺らやんか!?」

桜井智樹(普)
「やっべ~! 考えてなかった!?」

中島直斗(普)
「そうですよ、だから先輩たち落ち込んでいる暇なんかありませんよ。三年生の先輩方のためにもここはがんばらないと、でないと兄さんたちに笑われちゃいますよ」

石田健(普)
「……そうだよな、直斗! ここで俺らがウジウジしていても仕方ないもんな」

桜井智樹(普)
「後輩にここまで言われちゃ格好がつかないし、がんばってみようかな」

中島直斗(普)
「はい、がんばって……」

石田健(普)
「うおおお、よし! なんか感動したぞ、後輩君!」

中島直斗(困)
「は、はい?」

石田健(普)
「俺らはこれからのブンガク部の為に人間的経験値を上げようと思う、なのでちょっとエルダー・テイル(※2)の世界でマラソンしてくる!」

ログ・ホライズン

「エルダー・テイル」(※2)
『ログ・ホライズン』(橙乃 ままれ/エンターブレイン)

老舗オンラインゲーム「エルダーテイル」の世界に日本人ゲーマー3万人が閉じ込められてしまう。モンスターとの戦いや味を失った食料そして死ぬことのない境遇の中「剣と魔法の世界」は「現実」に変わっていく。混乱続くエルダーテイルで、<腹ぐろ眼鏡>で<引きこもり体質>の主人公・シロエが、旧友直継、美少女暗殺者アカツキらとともの世界を変える冒険をはじめる!小説投稿サイト「小説家になろう」の連載作品で、2011年より単行本が刊行、2013年にはTVアニメがスタートした。

桜井智樹(困)
「え、何故にエルダー・テイル!? てか、俺らって?」

石田健(困)
「では行ってくる! 行くぞ、智樹!」

桜井智樹(困)
「な、なんで僕まで~!? タ~ス~ケ~テ~!!」

 

~二年生たちが部室からログアウトしました~

中島直斗(普) 佐藤唯(普)
「……い、いってらっしゃいませ~」

中島直斗(困)
「あはは……なんか、ちょっと説得に失敗したような気がする」

佐藤唯(困)
「そうですね……それとあの人たちの行動もよく分からないです」

田中先生(普)
「やあ、ごきげんよう。そしてあけおめ~! あれ、二人だけ!?」

佐藤唯(普)
「あ、先生。おはようございます」

中島直斗(普)
「あ、おはようございます」

田中先生(笑)
「はい、二人ともおはよう!」

中島直斗(普)
「今日はどうしたんですか、先生?」

田中先生(笑)
「実はね。二人に良い話があるんだ。このチラシを見てごらん!」

中島直斗(普) 佐藤唯(普)
「ん?」

中島直斗(普)
「……高校生ライトノベル・コンテスト?」

佐藤唯(困)
「こ、これは!?」

田中先生(笑)
「あ、唯ちゃん気づいた。前に僕が高校生のときに応募して大賞を受賞したコンテストなんだよね。まあ、当時は高校生・小説コンテストだったけど。今年からラノベの賞が追加されたんだ」

佐藤唯(普)
「そうだったんですか」

中島直斗(普)
「へえ、知らなかった」

田中先生(普)
「あのさ、このコンテストに二人とも出てみない?」

中島直斗(困) 佐藤唯(困)
「出れるんですか!?」

田中先生(普)
「ああ、まあね。なんせ新しい賞だから今、参加者を募集しているって知り合いから僕に連絡が入ったんだよ、どうする?」

中島直斗(普)
「えーと……」

佐藤唯(笑)
「私やります、私やりたいです!! それと直斗君もやるでしょう?」

田中先生(普)
「じゃあ、直斗君も良いかい?」

中島直斗(笑)
「……そうですね、唯ちゃんが出るなら僕も出たいです、お願いします!」

田中先生(笑)
「うん、じゃあ、決まりだね。じゃあ、応募しとくね!」

中島直斗(笑) 佐藤唯(笑)
「よろしくお願いします!!」

中島直斗(普)
「よかったね、唯ちゃんコンテストに応募できて」

佐藤唯(笑)
「それを言うなら直斗君もですよ。お互い良い作品を作りましょうね」

中島直斗(笑)
「うん、そうだね」

佐藤唯(笑)
「じゃあ、さっそく……ん?」

ピロロロ~ン♪ ピロロロ~ン♪ ピロロロ~ン♪

佐藤唯(普)
「あれ、電話ですね? もしもし……」

……つづく

次回予告

中島優斗(笑)
「あけましておめでとうございます、中島優斗です」

今川凜子(笑)
「あけましておめでとうございます、今川凜子です」

中島優斗(普)
「今頃、部のみんなはどうしてるかな」

今川凜子(普)
「そうだね、でも私たちも今は進学のほうをがんばらなくちゃね」

中島優斗(困)
「そう言われれば確かに、では……」

中島優斗(笑) 今川凜子(笑)
「次回の『ブンガク!』もお楽しみに! 今年もよろしくお願いします!」

中島優斗(困)
「……あれ、そういえばさ、僕らの出番って今日はこれだけ?」

今川凜子(笑)
「かもね!」