LINEの既読スルーで人が傷つく理由とは? 伝えたいことをスルーされない方法とは?

人間関係

公開日:2015/3/23

スルーされた辛さを和らげるためには、発想の転換が必要

「承認要求」がスルーされることによって傷つくのを防ぐためには、「そのスルーは限定的であり、自分のすべてを否定されているわけではない」と考えること、と著者。

 また2つ目の「コントロール欲求」を阻害された時、例えばインターネットで見たくもない広告を見せられたケースなどは、そうした強制を行うことで結果的に企業イメージが悪くなるということを広告主が理解し、今の時代にマッチしたモラルをもつ必要があるため、見せられた側には対処が難しいかもしれない。しかし「ここに“自分がスルーされない”ヒントがある」、と語られている。

スルーされないために、相手の無意識を利用する

 本著によると、私たちは無意識のうちに「既知の発信元(家族や知り合い)からの情報」ほど信頼性が高いと感じて「即レス」しており、好意を寄せている相手からのメールなど「感情的インパクトが高い情報」にも、優先的に「即レス」をしようとするという。このことを自分の行動に応用すれば、「スルーされる」頻度を減らせることだろう。

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 また、私たちは身の周りに氾濫する情報すべてを処理するのは不可能なので、その多くを「一時的スルー」(判断の保留)として堆積していくのだとか。この堆積した情報をそのままにしておくとやがて「完全スルー」になってしまうので、「レスするかスルーするか」の判断をいかに正しくかつ素早く行うか、というところが重要になるわけである。

ここで著者から出されたクイズをひとつ、紹介したい。

【問題】営業マンであるあなたは、今から得意先でプレゼンを行うことになった。内容をスルーされないためには、どの順番で情報を重視するべきだろうか?

(1)言語情報:言葉の吟味が重要。
(2)視覚情報:見た目が大事。
(3)聴覚情報:「美声」はお得。

【解説】正解は、②視覚情報―③聴覚情報―①言語情報。ある実験によると感情のコミュニケーションで重視されるのは視覚(55%)・聴覚(38%)・言語(7%)の順なのだそう。そして、「こちらの熱意をスルーされない説得力ある話し方があるとしたら、言葉の内容にマッチした振る舞いや、声の雰囲気に気を配ることが大事」、と著者は指摘する。

 本著を読むと、様々なレベルの「無意識とスルー」についての付き合い方が見えてくる。情報の波に飲み込まれそうだと感じているなら、早めに読んでみてほしい。

文=増田美栄子