ワイン=フランスという固定観念は捨てよう! 美味しいワインとの出会い方

食・料理

更新日:2016/1/13


『今夜のワイン、どうしよう? 今夜のゴハン、どうしよう?』(行正り香/講談社)

 酒屋だけではなく、最近ではスーパーやコンビニにも必ずといっていいほどワインコーナーがある。ボジョレー・ヌーヴォーの解禁日の盛り上がりを見ても、日本で多くの人がワインを楽しんでいるのは明らかだ。しかし、ワインは好きだけれど種類が多すぎて何を選べばいいのか分からない人や、気軽に日々の食事に取り入れたいけれど、リーズナブルで美味しいワインをどうやって見つければいいのか分からないと感じている人は多いのではないだろうか?

 そんな人にぜひ手にとっていただきたいのが『今夜のワイン、どうしよう? 今夜のゴハン、どうしよう?』(行正り香/講談社)。自称「飲むリエ」(ソムリエのように専門的で豊富な知識はないが、とにかくワインを飲むのが好き)の著者が、価格帯ごとにオススメのワインや購入できる場所、ワインに合う料理のレシピなどを紹介している。特に1000円前後のものなど、比較的リーズナブルに購入できる銘柄を中心に紹介してくれているのが嬉しいところだ。

 著者によると、美味しいワインを見つけるうえで何より大切なのは“オープンハート”を持つこと。特に初心者にとっては、例えばワイン=フランスという固定観念は捨て、世界のワイン産地国やブドウの種類を大まかに把握することが大切だそう。確かに、私自身もかつては「フランスのワインが一番」と思っていたが、(もちろんフランスワインは美味しいけれど)最近、アルゼンチンのもので、手頃で美味しいワインに出会ったところだった。本書でも、手頃なワインを選ぶ時には、新世界と呼ばれるチリ、アルゼンチン、南アフリカで探してみることがオススメされている。

 そして、安くても美味しいワインに出会うためには、信頼できるお店と人もポイント。つまり、ワインが好きな店員さんがいるお店を見つけることが大切なのだ。実は私も、美味しいアルゼンチンワインに出会ったのは、まさにこの信頼できるお店と人のおかげだった。商店街にある小さな酒屋だが、ワイン好きなオーナーが毎回色々な話を聞かせてくれるし、1000円台くらいの手頃なワインが中心のお店。これまで長い間ワインは好きだけれど知識がなく、かといってワイン教室に通って本格的に勉強をするのはハードルが高いと感じていた私にとっては、まさに運命的な出会いだった。

 美味しいワインと出会える環境ができたら、次はワインと一緒にいただくお料理。ここでも、コンビニで買える食材を使った簡単なレシピから、もう少し手の込んだレシピでのコースメニューまで紹介されている。ちょっとしたつまみから、人を招いたパーティまで、様々なシーンで使えそうだ。ワインに合いそうなお惣菜を買って食べるのもいいが、簡単に手に入る食材で時間をかけずに作れたら、毎日の食事に気軽に取り入れられるだろう。

 最後にもうひとつ大切なこと、それはグラス選び。ブドウの品種などによってグラスを替えられればいいのだが、一般家庭ではそれもなかなか難しい。そこで著者が提案するのは、2種類のグラス。スパークリング用の細長いフルート型(シャンパングラス)と、赤用の大きめのグラスだ。グラスはまとめて一気に購入せず、ひとつ買ったら実際にワインを入れて味見をしてみるのがオススメだそう。

 ワイン選びで失敗したことのある人や、あまりお金をかけずに自宅でワインを楽しみたいと思っている人は、ぜひ本書を参考にしてみてほしい。美味しいワインに出会えれば、人生の楽しみが少し増えるような気がするから。

文=松澤友子