「頭の良い子」は音楽を習っている?! 本物の音楽が感性を育てる?! 音楽教育が子どもを幸せにするワケ

出産・子育て

2016/8/30

『感性と知能を育てる 音楽教育革命!(花まるメソッド音の森)』(笹森壮大:著、高濱正伸:監修/扶桑社)

「頭の良い子」はピアノを初めとしたクラシック音楽を習っていることが多い、という分析がある。「指や手を動かすことで脳に刺激が与えられるから」「右脳と左脳が連動して脳が活性化するから」「音楽を習わせる家庭はそこそこ裕福で、教育にお金をかけられるから」などさまざまな理由が挙げられており、どれもなんとなく納得できそうだ。

 音楽教育が子どもに有益なのは「感性」を磨くからだ、と述べるのは、花まる学習会代表の高濱正伸氏が監修、チェロ奏者の笹森壮大氏が執筆する『感性と知能を育てる 音楽教育革命! (花まるメソッド音の森)』(笹森壮大:著、高濱正伸:監修/扶桑社)。本書はズバリ、子どもが輝くためには「美しさの基準」を高く持つことが大切だという。そうすることで物事を捉える感性が磨かれていき、自分の目の前にある小さな選択肢を少しずつよりよいものに変えていくことができる。つまりは、「頭が良くなる」ための困難な選択肢も自ら取ることができるようになる、ということのようだ。

 では、「美しさの基準」を高く持つためにはどうすればいいのか。本書は、“本物にたくさん触れる”必要があると断言している。本書によると、“本物”とは「(価値が)普遍的なもの」であり、言い換えると「一生懸命生きてきた人の人生の集積」。偉大な先人が残した良いところだけが凝縮されている。子どもに触れさせるのは本物であれば絵でもいい。音楽ならクラシック。ではポップスや流行音楽はどうかというと、「それだけを聴いているのはダメ」とのこと。

 これには、きちんとした論拠がある。本書によると、ポップスや流行音楽の中には、すべてとはいわないが、作曲の技術的になっていないものがある。音楽的には稚拙だが中毒性があるため、感受性の強い子どもをとりこにし感性をくもらせる。その点、長い風雪に耐え芸術として生き残ってきた音楽は、芸術性が高いのは当然ながら、構造もしっかりしているという。

 たとえば、和声の基本的なルールで「ドミソ」の3音のうち「ミ」を重ねてはいけないところを「ドミソミ」と重ねてしまう。他にも、ソプラノとバスなどが並行して動く「連続八度」「並達五度」などの禁止事項を無視した不自然なユニゾンが、ポップスや流行音楽の中には多く見られるという。

 作曲ルールが守られていないと、なぜダメなのか。それは、禁止事項の基準が「美しい」「美しくない」という人間の感性で決まっているから。消費音楽ばかりを聴き続けることで、自分の中の「美しい」「美しくない」を決める感性が、人間の根源的な感性からズレていってしまう、ということのようだ。

 柔軟な感覚を持つ子どものときだからこそ、親は“本物”を与えたい。

文=ルートつつみ