団員同士の色恋沙汰やライバル関係、ドラッグまみれ…ロックよりも激しすぎる名門オーケストラの内情

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公開日:2016/11/23

 元ニューヨーク・フィルのオーボエ奏者が、自らの経験をもとにクラシック音楽業界の内幕を綴った『モーツァルト・イン・ザ・ジャングル ~セックス、ドラッグ、クラシック~』の上下巻が2016年11月21日(月)に発売された。

 同作は、クラシック業界の内幕を暴き、酷評した問題作。オーケストラの団員同士の色恋沙汰やライバル関係、そしてドラッグまみれの実態など、信じられないようなエピソードが満載の一冊だ。海外のメディアは同書を以下のように評している。

本書はニューヨークのフリーランス音楽家が経験する栄光と堕落を、大胆かつ詳細に描き出す。激しい競争、医療保険にも入れない不安定な雇用環境。実際にフリー音楽業界で働く人々はその厳しさを身にしみて知っているだろう。そうした音楽界の内情が今、ティンドール氏の手によって白日の下にさらされたのだ『ニューヨーク・タイムズ』紙

音楽業界最前線からの警鐘(……)ごくわずかな成功者、あまりに多くの挫折、そして驚くべき不品行が横行する音楽界に、鋭く切り込んだ書籍である。深夜のバーや劇場の楽屋で交わされるゴシップのような、ちょっと下世話な秘密が散りばめられている『ニューズデー』紙

賑やかで粗野、そしてときには淫らな娯楽の書だ。ティンドールは誰ひとり、そして何ひとつ容赦しない。常に家賃を滞納しながら純粋な芸術家であろうと足掻いた経験をもつ読者であれば、自らの体験に基づいたティンドールの痛烈な音楽業界批判に、まず間違いなく安堵と共感を覚えるはずだキャシー・ベック『ロッキー・マウンテン・ニュース』紙

フォーマルウェアに身を包んだ頭でっかちの気取り屋、というクラシック音楽家に対するイメージを覆すがごとく、ティンドールは自らのセックス遍歴を色っぽく開けっ広げに列挙するジョン・フレミング『セントピーターズバーグ・タイムズ』紙

カーネギーホールでのデビューリサイタルから、「レ・ミゼラブル」、「ミス・サイゴン」といったブロードウェイ・ミュージカルのオーケストラ・ピットまで―ブレア・ティンドールはさまざまな音楽シーンで、クラシック界やブロードウェイの大物と数多く共演してきた。そして今、彼女は本書『モーツァルト・イン・ザ・ジャングル』のなかで、そうした音楽家や指揮者たちのロックスターさながらのスキャンダラスな実態を暴露する。その怠惰と再生の物語においては、どんな人物も暴露の対象から外されることはない『ヒューストン・クロニクル』紙

 同作を原作としたドラマは、「第73回ゴールデングローブ賞」で主要2部門を受賞。同書を読んだあなたは、ロックよりも激しいクラシック業界の内情を目撃することとなる。

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ブレア・ティンドール(Blair Tindall)
ジャーナリスト、オーボエ奏者。『ニューヨーク・タイムズ』紙でクラシック音楽に関する記事を執筆している。これまでニューヨーク・フィルをはじめさまざまな音楽団体で演奏、ツアー、レコーディング活動を行ってきた。スタンフォード大学でジャーナリズムを、カリフォルニア大学バークレー校でオーボエを教えた経験ももつ。

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