国立新美術館で『新海誠展「ほしのこえ」から「君の名は。」まで』開催! 現役アニメーション映画監督としては初の快挙!! 

エンタメ

2017/9/20

 2016年8月に公開された劇場アニメ『君の名は。』で、国内外から高い評価を受けた新海誠監督。2017年は監督が2002年に短編アニメ『ほしのこえ』で商業デビューしてから15年となる。その記念すべき年に、同じく2017年に開館10周年を迎える「国立新美術館」で2017年11月11日から12月18日の期間に『新海誠展「ほしのこえ」から「君の名は。」まで』が開催される運びとなり、9月某日、その記者発表会が行なわれた。

 国立の美術館で現役アニメ監督の展覧会が開かれるのは初めての試みということだが、国立新美術館と新海作品には縁がある。それは『君の名は。』本編において、主人公がデートする場所として国立新美術館と同館2階に併設されているカフェ「サロン・ド・テ ロンド」が登場しているのだ。つまりファンにとって「聖地」なのである。またここでは2015年に「ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム」という企画展を実施。館長の青木保氏も記者発表会冒頭の挨拶で「この分野は現在、日本を代表する文化である」と語っており、『新海誠展』の成功への並々ならぬ意欲を感じさせた。

 この展覧会は6月3日から「大岡信ことば館」、9月2日からは「小海町高原美術館」と全国を巡回。国立新美術館では他の会場よりも広い2000平方メートルの展示空間で開催され、初公開の製作資料類を特別に展示予定とのこと。また専門家を招いてのキュレトリアルチームを編成し、新海作品をより深くひもとく展示内容を企画。公開される資料は約1000点にものぼり、新海作品を公開年順に「章」構成して展示される。その各作品を新海監督のコメントと共に紹介していこう。

【1章】ほしのこえ(2002)

 新海監督が商業デビューを果たした短編アニメーション。「キーワードは『メール』。メールのやりとりによるコミュニケーションの変わり目を、作品にしたいという気持ちでした」

【2章】雲のむこう、約束の場所(2004)

 新海監督初の本格的な長編作品。「キーワードは『アニメーション制作』。本格的にアニメーション映画を作ってみたいと始めて、その大変さを思い知らされた作品です」

【3章】秒速5センチメートル(2007)

 短編3話の連作で描かれた作品。「キーワードは『青年期』。自分の青年期だからこそ作れた作品。時代性を濃く反映した作品でもあり、今だと決して作れないと思います」

【4章】星を追う子ども(2011)

 ファンタジー要素の濃い、物語重視の作品。「キーワードは『物語』。これまでは映像作品を作りたい気持ちが強かったけれど、これは『自分は物語作家なんだ』と思い定めて作った作品でした」

【5章】言の葉の庭(2013)

『万葉集』の短歌を引用した「恋物語」。「キーワードは『完成度』。震災があって、東京がこのまま続くという感覚が自分の中でなくなり、自分の好きな風景をアニメーションの映像で留めたいと思ったんです。言い訳は一切せずに、完成度だけで勝負したいと思って作りました」

【6章】君の名は。(2016)

「入れ替わり」から始まる数奇な運命の物語。「キーワードは『喜怒哀楽』。震災以降から、もう少しポジティブなものが見たいのではないかと思うようになり、今ならば『喜怒哀楽』全部ある映画が作れると思って臨んだ作品です」

 このほか、初期短編作品やCM、言葉、音楽なども展示予定。新海作品の魅力を余すところなく体感できる構成となっている。

 そして記者会見の最後に、新海監督が登壇して挨拶。今回の展覧会に関して、アニメーションは共同作業であるのに自分の名前だけ出ることに「申し訳なさ」を覚えると共に、国立新美術館でアニメーションが展示されることに「時代が変わってきた」とも感じたという。さらに『ほしのこえ』や『君の名は。』に関しては「僕が作らなくても、あのタイミングで誰かほかの人が同じような作品を作ったかもしれない」と発言。なぜそう思うのかは「自分でも分からない」としながらも、「今回の展覧会を見ることで、その理由が発見できるかもしれない」と期待を口にして挨拶を締めくくった。

 なお観覧料は当日料金で一般1600円、大学生1200円、高校生800円。前売り、団体料金はそれぞれ200円引き。また前売り券には、新海監督が「楽しみ」と語る俳優・神木隆之介氏が音声を担当した音声ガイドをセットにした「音声ガイドセット券」や、新海作品の特別上映会が楽しめる「特別上映会セット券」、先述したカフェ「サロン・ド・テ ロンド」で食事ができる「カフェ『サロン・ド・テ ロンド』席予約セット券」といった企画チケットが存在。詳細は東京会場特設サイト(http://shinkaimakoto-ten.com/tokyo/)で確認してほしい。

文=木谷誠