『涼宮ハルヒの追想』は、失い、さまよう、感動ゲーム
2003年に刊行がスタートした『涼宮ハルヒ』シリーズ。4年ぶりの新作となる『涼宮ハルヒの驚愕』に合わせて、新作ゲーム『涼宮ハルヒの追想』(バンダイナムコゲームス)が発売されている。 プロデューサーの二見鷹介氏は、アシスタントプロデューサーとして2008年に発売された『涼宮ハルヒの戸惑』のゲーム化に携わり、ライトノベルのゲーム企画を積極的に行っている。また、元大手スーパー精肉部門という異色の経歴を持つ。 二見氏は、作品についてこう語る。 「難解な要素がふんだんに盛り込まれた物語で、いわゆるキャラ萌えエンタメとは一線を画す作品だと思っています。もちろんキャラクターが好きというだけでも充分楽しめるのですが、SFの素養や元ネタになった作品の知識があれば、それ以上に深くのめり込めるところが何よりの魅力ですね」 新作『涼宮ハルヒの追想』のジャンル名は「ワンデルングアドベンチャー」。 これは、登山用語のリング・ワンデルング(方向感覚を失って同じ場所を何度も彷徨い歩く現象)に由来する。ベースになっているのは映画『涼宮ハルヒの消失』に描…