神尾楓珠「人間関係で悩むこともあった高校時代、一気読みした作品です」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、神尾楓珠さん。 (取材・文=松木智恵 写真=TOWA)
普段はザ・少年漫画の熱いバトル系を読むことが多いという神尾さんが選んだのは『聲の形』。耳の聞こえる少年と耳の聞こえない少女の出会いを軸に、いじめや友情、恋愛など学校生活の中で起こるリアルな人間関係を真正面から描いたコミックだ。 「高校生の時に友達から勧められて読みました。最初は『うわぁ…キツい話だな』と思っていたんですけど、なぜか一気読みしちゃって。今も全巻、持ってます。ヒューマンドラマの漫画で唯一、自分の家の本棚に並べている作品ですね。特に忘れられないのは、耳の聞こえない硝子が手話を使わずに『好き』って言ったのに、将也には『月』としか伝わらなかったシーン。読んでいて泣いてしまいました」 高校生の頃の神尾さんは、この物語の登場人物たちに自分を重ねた。 「僕も当時は周りの目を気にするタイプで、人間関係で悩むこともありました。あの頃の友情って、不用意な…