家にいながら世界中の料理を満喫できる!「地球の歩き方」監修の世界のレシピBOOK!

暮らし

公開日:2022/7/6

地球のかじり方 世界のレシピBOOK
地球のかじり方 世界のレシピBOOK』(佐藤わか子:料理制作、地球の歩き方編集室:監修/学研プラス)

 日々いろんな国の料理を食べていると思っていても、世界にはまだまだ知らない、食べたことのない料理がたくさんある。たまに見知らぬ調味料や料理が突然話題になることがあるが、実はそれは、他国で昔から食べられている郷土料理であることも多い。そうしたまだ見ぬ料理のことを思うと、世界中を巡ってみたくなる。

 コロナ禍での規制は少しずつ緩和へと向かっている昨今だが、まだまだ世界を旅してまわるのは難しい状況にある。忙しくてまとまった時間が取れない人も多いだろう。それにやはり、国内旅行に比べて海外旅行はハードルも高い。『地球のかじり方 世界のレシピBOOK』(佐藤わか子:料理制作、地球の歩き方編集室:監修/学研プラス)は、そうしたハードルを取っ払い、家にいながら世界中の料理を楽しむことができるレシピ本。

 本書は、1979年から発行されている、日本で最も発行タイトル数の多い海外旅行ガイドブック「地球の歩き方」の編集室が監修している。また、料理制作を担当している佐藤わか子さんは、「地球の歩き方」を手に世界中を旅し、約15か国でホームステイをしながら現地の家庭料理を学んだ経験を持つ、世界のおうちご飯のプロフェッショナル。現地への取材データから得たリアルな情報だけでなく、「食」に特化した雑学も充実しているこの本には、「地球の歩き方 旅の図鑑シリーズ」のなかで一番人気のある『世界のグルメ図鑑』に掲載された116の国と地域から厳選した名物料理89 品のレシピが、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、オセアニアのエリアごとに紹介されている。

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気になる世界の料理を、食材や作り方から解説!

 例えば、アジア料理。アジア料理というと、なじみ深いのはやはり中国料理や韓国料理、それからカレーなどのインド料理、タイ料理あたりだと思うが、日本で広く知られている料理はそのほんの一部にすぎない。本書では、アジア料理ひとつとっても、マレーシア、シンガポール、インドネシア、フィリピンなど東南アジアの国々から、中央アジアのウズベキスタン、西アジアのトルコやイスラエルまで、幅広いエリアをカバーしている。

地球のかじり方 世界のレシピBOOK P.10~P.11

 また、国によって定番の食材はもちろん、調味料や香辛料まで違ってくるのが面白い。日本料理だと、煮込みには日本酒と醤油、みりんを使うことが多い。しかし上海の代表的な家庭料理「ホンシャオロウ」には、八角や桂皮、花椒など中国料理でおなじみのスパイスのほか、「老抽」と呼ばれる、「生抽(醤油のようなもの)」にカラメルや黒砂糖を加えて寝かせた調味料や紹興酒が使われる。

地球のかじり方 世界のレシピBOOK P.12~P.13

 同じ甘辛味の煮物でも、この一つひとつの違いがその国特有の味や風味を生み出していくのだ。当たり前といえば当たり前だが、こうして様々な国の料理を材料から見ていくことで、世界各国で愛される料理の基礎となるもの、文化をより深く窺い知ることができる。そしてそうなってくると、今度はその味を試してみたくなる。それを実現できるのが、この本の大きな魅力だ。

「おいしい」はどうやって言う? レシピだけでなく文化も深掘り!

 また、本書は世界各国の料理レシピや食材だけでなく、「世界の食文化トリビア」や各地での「おいしい」の言い方、そのほか現地に関する豆知識なども知ることができる。場所はもちろん、使用されている言語や暮らしている民族など、まるで現地を訪れているかのような「地球の歩き方」らしい現地情報も満載!

地球のかじり方 世界のレシピBOOK P.3

 ちなみに「おいしい」の言い方は、それぞれその地の紹介ページの下部に掲載されている。料理や豆知識とセットで見ることができ、しっかりと雰囲気を感じられるのも嬉しい。

地球のかじり方 世界のレシピBOOK P.58~P.59

地球のかじり方 世界のレシピBOOK P.128~P.129

 この『地球のかじり方 世界のレシピBOOK』のレシピは、すべて日本で入手可能な材料のみで作ることができる。また、たとえば前述の「老抽」などの耳慣れない材料は、「醤油に黒蜜少々を混ぜたもので代用可」というように、よりなじみの深い材料での代用例も紹介している。気になる土地のレシピを再現し、食文化を体感することで、舌と知識欲を一気に満足させることができるのだ。休日などを利用して、友達や家族とエアグルメ旅をしてみるのも楽しそう。筆者も、この本のレシピを基に地球を旅してみようと思う。

文=月乃雫

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