【チェックリスト付】肥満の原因は自律神経の乱れ。 健康的に痩せるコツは? 名医が教える自律神経と「きれい」の深い繋がり

健康・美容

公開日:2022/8/20

名医が教える 自律神経できれいになるメソッド50
名医が教える 自律神経できれいになるメソッド50』(小林弘幸/ポプラ社)

 コロナ禍によって、私たちの暮らしは大きく変化した。好きな時に大切な人に会えず、気分転換の旅行も自由にできなくなった日常の中で、なんとなく心身の不調を実感するようになった人は意外に多いはず。

 現在、社会は徐々に普通の日常を取り戻しつつあるが、以前の自分に戻れず、苦しい思いをしている人もいることだろう。

 そうした原因はもしかしたら、自律神経の乱れにあるのかもしれない――。そう指摘するのは『名医が教える 自律神経できれいになるメソッド50』(小林弘幸/ポプラ社)。

 本書では自律神経の名医が、自律神経の乱れを改善する50のメソッドを紹介。自律神経の乱れによって体調不良や肥満が引き起こされる理由を解説し、健康的に美しく痩せるコツを伝授。長い巣ごもり生活で体重や体脂肪が増加してしまったという人にとっても頼れる一冊となっている。

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自律神経は「きれい」に関係している

 自律神経は体中に張り巡らされている神経のひとつ。「交感神経」と「副交感神経」で構成されており、内臓の働きや血管の拡張・収縮、呼吸、体温調節などをコントロールしている。

 だが、不規則な生活や環境の変化などで自律神経の働きが低下し乱れると、めまいや動悸、肩こり、便秘など様々な心身の不調が引き起こされ、太りやすくもなると著者は指摘。

 なぜなら、腸内細菌の働きと自律神経は切っても切れない関係にあるから。著者いわく、自律神経のバランスが乱れると腸の動きや腸内環境が悪くなるのだそう。すると、肥満細胞の働きを防止する「短鎖脂肪酸」という物質が減り、脂肪が蓄積されやすくなってしまうのだとか。

 また、交感神経が活発すぎると、食べ物を消化する「ぜん動運動」が低下して便秘の原因に。便秘が続くと、便の中の皮下脂肪が再度、体内に蓄えられてしまうのだという。

 なお、自律神経のバランスが乱れると血流も悪くなり、肌のすみずみまで栄養が行きわたらなくなって、くすみや乾燥、小ジワなどの肌トラブルも引き起こされるよう。健康や美しさを維持するには、自律神経に目を向けることが大切なのだと著者は訴える。

 そこで、本書には自分の自律神経の状態が知れるチェックリストを収録。

名医が教える 自律神経できれいになるメソッド50 P20-21

名医が教える 自律神経できれいになるメソッド50 P22

 まずは今の状態を確認し、必要なメソッドを考えるきっかけを作ってみよう。

腸内環境を整えるヨーグルトの選び方・食べ方

 著者は「食事」「運動」「生活習慣」などで自律神経を整え、健康に美しく生きられるメソッド50を公開。

 個人的に驚いたのが、ヨーグルトで腸内環境を整えるには量や選び方、食べ方にポイントがあるということ。市販のヨーグルトは「ビフィズス菌系」と「乳酸菌系」の2種類に分けられるが、高い効果を得たいのであればビフィズス菌をチョイス。

 なぜなら、乳酸菌は小腸で働いて乳酸を作り出すのに対し、ビフィズス菌は大腸で働き、乳酸と酢酸を作り出すから。酢酸にはより強い殺菌効果があり、悪玉菌を抑える効果があるのだそう。

 ヨーグルトは同じものを2週間、1日200gを目安に食べることも大切。夕食後に食べると腸のゴールデンタイムに善玉菌の活動をサポートできるため、朝晩2回に分けて食べるのもよいようだ。

 なお、ヨーグルトの善玉菌は胃酸によって働きが弱まってしまうため、水などを1杯飲んでから食べようと著者はアドバイス。食物繊維が豊富な野菜や果物などと一緒に食べると、さらに便秘解消効果が期待できるそう。

 著者は善玉菌の大好物である「乳酸菌」「食物繊維」「オリゴ糖」のトリプル効果が期待できるヨーグルト+大根おろし+はちみつを推奨しているので、ぜひ試してみてほしい。

自律神経を整える「1:2の長生き呼吸法」

 長いマスク生活によって、口呼吸が癖になってしまった人は多いはず。しかし、口呼吸は呼吸が浅く速くなるため、交感神経が優位になり、血流が悪くなったり、自律神経が乱れたりする原因になるのだそう。

 そこで著者は、副交感神経の働きをよくする「1:2の長生き呼吸法」を推奨。

〈1:2の長生き呼吸法〉
①足を肩幅に開いてまっすぐ立ち、肩の力を抜く。両手はわき腹に置き、肋骨の下を掴む
②心の中でゆっくり1~4を数え、上体を後ろに反らしながら鼻から息を吸う
③次は心の中でゆっくり1~8を数え、上体を前に倒しながら口から息を吐きだす。この時、わき腹に添えた手をおへその中心に寄せるようにし、肺の下の部分に刺激を与える。

 呼吸法は1日1回、3分間行うのがポイント。緊張を解いてくれるので、仕事のプレゼン前など神経が高ぶっている時にも効果的だ。

 感情を持つ私たちは、自律神経が乱れて当たり前。だからこそ、本書『名医が教える 自律神経できれいになるメソッド50』との出会いを機に様々な変化に振り回されず、心身共に健康で美しく生きる術を学んでほしい。

文=古川諭香

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