平凡な保育士が異世界召喚で聖女に!? ちびっこに癒されたい元保育士が、異世界で「聖女」であることを隠しながら大活躍！
マンガ PR公開日：2023/10/27
異世界に召喚されて強大な力を手に入れ、特別扱いを受けて唯一無二の存在として生きる。ファンタジーとしてなら多くの人が一度は憧れる展開だ。でもそれは、同時に今の生活や家族、恋人、友人を失い、そこから先ずっと異世界で特別な存在として生きるということでもある。そう考えたとき、果たしてそれを受け入れられるだろうか――。
『聖女になんてなりませんっ！～ちびっこと平穏に暮らしたい私は規格外スキルをひた隠す～』（永倉早：作画、沙夜：原作、れんた：キャラクター原案/スターツ出版）は、思わずそんなことを考えてしまう異世界ファンタジー。本作を手掛けている永倉早さんは、『虐げられし令嬢は、世界樹の主になりました』（KADOKAWA）などの人気作を生み出している漫画家。聖女×幼女×ラブファンタジーと人気設定が盛りだくさんのこの『聖女になんてなりませんっ！』は、電子書店「ピッコマ」デイリー女性漫画ランキング1位を獲得している。
この物語の主人公は、平凡ながらも保育士の仕事を楽しんでいた26歳女性・和泉瑠璃（いずみ るり）。いつものように帰宅し、チューハイ片手にスマホを見ながら餃子を焼いていたところ、突然光に包まれ異世界へ。気がつくと見知らぬ大きなお屋敷の庭にいた。
髪も銀髪に変わり、手に持っていたスマホもチューハイもなくなっている。酔ったかな？と困惑していると、そこに金髪幼女・リリアナ（呼称：リーナ）が現れ、さらにはその兄だというラピスラズリ侯爵家嫡男・レイモンド（呼称：レイ）までやってきて――!?
瑠璃はレイと話しているうちに、自分が見知らぬ異世界へ転移していると気づく。一方レイは、人の悪意に敏感で警戒心の強いリーナが瑠璃へ懐いたことに驚いていた。そうした状況から、瑠璃はふたりの母親で侯爵夫人のエレオノーラに依頼され、家庭教師としてリーナの面倒を見ることに。自作の紙芝居を披露したり、リーナのおともだち作りに協力したり、食育として一緒に野菜を育てたり、子守歌を歌ったり……保育士の経験を活かし活躍していく。
しかしそんな中、瑠璃が実は「癒やしの聖女」である可能性が浮上して――。
ラピスラズリ侯爵家という新たな居場所を得た瑠璃だが、召喚されて聖女として異世界へ来た以上、元の世界へ帰れない可能性が高いという。つまり、一生ここで暮らしていかなければならない可能性がある。そうした中で「聖女」として生きる道が示されたとき、もし自分が瑠璃だったら何を思うだろう。
聖女だと公言すれば、きっと大きな注目を浴び、丁重に扱われる。だが、今の自由で平穏な暮らしはできなくなるかもしれない。当然、職業も「聖女」で固定されてしまうだろう。これまで積み上げてきた経験から離れて新しいことに挑むのは、多くの人にとって歳を重ねれば重ねるほど大変なことだ。それに、人にはそれぞれ思い描く未来がある。瑠璃は考えた結果、自分が「癒やしの聖女」であることを隠して生きる選択をする。
しかし瑠璃の持つチート級の能力は隠しきれず、次第に周囲の注目を集めてしまう。ラピスラズリ侯爵家当主エドワードの弟・レオンハルトも、聖女の力に助けられたことで、瑠璃を「助けてくれた聖女に似ている」と気になるように。その後も、瑠璃本人すら気づいていない新たな能力が発覚していく。
聖女であることを隠したい瑠璃と、「癒やしの聖女」を求める王国の人々。これから瑠璃は、どんな人生を選んでいくのだろうか。リーナの教育係として瑠璃が何を見せてくれるのか、レオンハルトとの仲はどうなっていくのか、聖女召喚の儀式を命じた若き王との接点は……。まだまだ気になることだらけだ。平凡な保育士・瑠璃の聖女としての人生を、引き続きドキドキしながら見守りたい。
文＝月乃雫
