Xでいいね累計200万超え!女装ロリータと男装パンク会社員。オン・オフのギャップが激しすぎる胸キュン必至の日常漫画

マンガ

公開日:2024/1/28

会社と私生活-オンとオフ―
会社と私生活-オンとオフ―』(金沢真之介/スクウェア・エニックス)

 同僚の趣味や好きなものを知っているだろうか? デスクに置かれたアニメキャラのアクリルスタンド、飾られているアイドルの写真などの持ち物から察していくことはできるだろう。一方で、ファッションの趣味なら、職場用と私生活用でブランドもメイクも完璧に分けられたら、推測することは難しいだろう。

会社と私生活-オンとオフ―』(金沢真之介/スクウェア・エニックス)は、著者の妻が考えたキャラクターをSNSで描いたところからスタートし、SNSで累計200万いいね超えをした話題作だ。その名の通り、会社と私生活のオンとオフを描いている。しかし、そのギャップがとてつもない。オン会社員・オフ女装ロリータの甘田奏太郎(あまた・そうたろう)と、オン会社員・オフ男装パンクの阪久明(はんく・あきら)という2人のオンオフに、胸キュン必至のギャップ系日常漫画だ

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オンとオフの差がすごすぎてもはや分からない!2人の華麗なるメタモルフォーゼに目が離せない

 2人のオンオフの違いをチェックしてみよう。天田の会社での働きぶりは、

“甘田さん今日もスマート…!
どうしたらこんなに紳士になれるんだろう…”

 と騒がれるほど、コミュケーション能力はばっちりだが、仕事はそこそこで同僚や上司からの覚えはめでたい。かっこ良いと言われるよりは、可愛いと言われてしまうタイプの人気者だ。

 オフの私生活での服装は、女装ロリータ。金髪のウィッグを被り、ボンネットやヘッドドレス、帽子などを使いヘアもばっちり、フリルにレース、リボンたっぷりのスカートふんわり。パニエもきちんと装着しているだろうロリータ衣装を纏う甘田は、甘い雰囲気のお人形か姫かと思わせる可愛らしさだ。スーツを着こなしたオンの時の雰囲気は微塵も感じられない。しかし、オフを知ってしまうと、オンの時の考えながら口元に手を置くような何気ないしぐさまで、女子のしぐさに見えてくるから不思議だ。

 また、阪久はオンの職場において、黒縁めがねに髪型は無造作に下の方で1つ結び、シンプルな制服を纏う。一言で言うなら、冴えない格好。仕事はできるが、人付き合いは得意ではないし、はっきり物事を言うタイプのため、

“阪久さんって私生活もお堅そう…
趣味は読書くらいしかなさそうだよね…
人生楽しくなさそう~~…”

 と、言われてしまうくらい同僚からは煙たがられる存在だ。

 オフの私生活では、服装はもちろん、メイクや所作まで全く違う。ダメージ加工され裂けたかのように切れ目が入った洋服にゴツい鋲やチェーンが目立ち、メイクは目の下黒めで、首や手のタトゥーはシールだろうか。首輪のようなチョーカーも印象的だ。一見近寄り難いが、魅力に溢れた男装パンク系ファッションがなんともかっこ良い。

 職場でのオンの雰囲気も、私生活でのオフの雰囲気も全く違うが、ギャップの大きさとファッション好きというところに共通点がある2人がとある偶然の出来事から、オフでもお互いを認識するようになる。今後2人の関係がどうなるのか気になって仕方がない。

 SNS掲載時にはなかった補完部分もあるため、本書ではまた新たな2人を見ることができるだろう。絵が美麗すぎて2人の服装が際立ち、大きなコマ割りのロリータやパンクファッションの全身絵が映える。シーンが変われば服装も変わるため、目を楽しませてくれる。会社と私生活のギャップと共に、2人のファッションを堪能してほしい1冊だ。

文=山上乃々

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