快眠メソッドで脳を変え、人生を変える! 脳科学者「茂木健一郎」が語るハイパフォーマンス快眠法とは!?

健康

2017/12/26

『脳が最高に冴える快眠法(河出文庫)』(河出書房新社)

 情報化社会かつ多忙な現代、私たちの脳はあらゆるストレスにさらされている。さて、この脳を救ってくれるのは「良質の睡眠」であることをご存じだろうか? 睡眠中の脳は休んでいると思ったら大間違い。きっちり働いて、勝手に「記憶の整理」をしてくれるのだ。茂木健一郎氏が解説する『脳が最高に冴える快眠法(河出文庫)』(河出書房新社)は眠っている間に脳をベストコンディションに導き、心身共に快適な生活を送れるさまざまなヒントが紹介している。

 多くの先進国と比較しても日本人はとても睡眠時間が少ない。ある意識調査では日本人の8割は「快適で質の高い眠りをしたい」と考えていると茂木氏はいう。その悩みは「寝不足で仕事がはかどらない」「たくさん寝たのに頭がボーっとする」「ベッドでなかなか寝付けない」などと、上手く眠れていない状態にある。多くのストレスをかかえる現代人にとって、上手く眠ることは上手く生きることに値するという。

 茂木氏によれば、まず上手く快眠を得る方法として、脳がリラックスできるような快眠準備が大切であるという。ポイントは就寝2時間前に入浴で体を温め、体温が低くなる時を狙って眠りに就くこと。適度に暗く暖かく、肌触りの良い寝具を整えて、母親の胎内にいた時と似たような環境にすること。そして90分サイクルを利用し、目覚まし時計は使わずに自然な目覚めで快適な朝を迎えること。これだけでも睡眠の質は大分変わって来るもので「スリープコンフォート」としてぜひ身に付けてほしいという。

 またストレスで脳が疲れた時は快眠も上手くいかないものである。大切なことはストレスと向き合い、それを脳から排除する作業を行うこと。その方法として最も効果的なのは、普段使わない脳の機能を使うことであり、おすすめは自然とふれあい脳をリフレッシュさせることだという。山や海に出かけてマイナスイオンを浴びると脳と身体は一気にリフレッシュされ、脳はまた新たなパフォーマンスを発揮してくれるというわけだ。

 さてここで、夜の就寝時に寝付きが悪く悩む人に茂木さんから一言。それは「あまり問題視する必要は無い」ということである。寝付きが良いということは睡眠不足状態だから、脳が「早く休みたい」と欲しているのですぐ眠れてしまう。逆に寝付きが良くない人は睡眠が足りているので脳が睡眠をそれほど欲していないのであって「なかなか眠れないくらいが健康的」だという。「眠らなきゃ」と考えるだけで脳がグルグルと働いてしまい、眠りに就けない状態になってしまう。気楽に考え、自分は睡眠不足ではないと思うことが大切である。

 さらに疲れた脳を回復する方法として、昼寝の「パワーナップという仮眠法」がある。ナップは仮眠という意味で、午後からの仕事の効率を上げる効果があるとしてアメリカのNASAや外国の大企業などでも多く取り入れられている。昼間、眠気を感じた時に20分ほど寝ると「睡眠8時間分のスタミナ」が付き、思考力、記憶力、想像力アップと良いことずくめ。ナポレオンやエジソン、レオナルド・ダ・ヴィンチなど、多くの偉人も仮眠を上手く取り入れていた。

 めざましいITの進化などにより情報過多にさらされ、時間のスピードが以前より早く感じられる現代。私たちはもう以前の眠り方では脳の疲労回復が追い付かなくなってきているのかもしれない。大切な人生の3分の1を眠りに使っているなら、その眠り方を変えるだけでも人生が変わるのだと筆者は断言している。ぜひこの快眠メソッドを習得し、脳が気持ちよく働く習慣を身に付けたいものである。

文=北條美穂子