<小麦粉、卵、乳製品ナシ>お菓子作りに自信がなくても大丈夫!“へた”でも上手に楽しく作れる『へたおやつ』レシピ【作ってみた】

食・料理

公開日:2018/1/19

『へたおやつ』(白崎裕子/マガジンハウス)

 1月も半ばを過ぎ、2月になるとバレンタインデーがやってきます。お菓子作りが得意な人は、腕によりをかけて凝ったものを作るかもしれませんが、一方で、お菓子作りは全く苦手で、毎年市販のもので済ませているという人も多いのでは? でも、今年こそはこのレシピ本で作ったお手製スイーツをプレゼントしてみませんか?

 『へたおやつ』(白崎裕子/マガジンハウス)は、2017年お菓子部門レシピ本大賞を受賞した白崎さんが新たに生み出した、小麦粉、卵、乳製品を一切使わないグルテンフリースイーツレシピをまとめたものなんですが、今回特にこだわったのは、お菓子作りが“へた”な人でも上手に楽しく作れるようにしたところ。繰り返し作りたくなるくらい簡単なものばかりです。そこで、今回はこの中からバット型ケーキと型抜きしないクッキーの2品を実際に作ってみました。

■ふわっと軽い「りんごとバナナのケーキ」(P.24)


 ボウルに「バナナ」と「レモン汁」を入れフォークでつぶし、「豆乳」、「好みの植物油」を加えて乳化させます。ここに「米粉」を加えて、なめらかになるまで混ぜたら少し生地を寝かせます。

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別のボウルに、くし形に切った「りんご」、「てんさい糖」、「レモン汁」、「塩」を入れてまぶし、てんさい糖が溶けるまで待ちます。溶けたらりんごをざるに上げ、出た水分は先ほどの生地のボウルに加えて混ぜ、ここに「コーンスターチ」、「ベーキングパウダー」、「重曹」を混ぜたものを加えてしっかり混ぜます。これを、オーブンシートをしいた型に流し込み、りんごをのせて170℃に余熱したオーブンで45分ほど焼けば完成です。

 1品目は、材料を混ぜ合わせた生地を型に流し込んで焼くだけのバット型ケーキです。ただ、普通の生地だと面白くないので、生地自体にすりつぶしたバナナや、りんごから出た“ジュース”を混ぜ込むことで、フルーツの美味しさを余すところなく活用し、一味違うケーキになりました。一見重そうな生地に見えますが、食べてみるとふわっと軽く、そこにジューシーなりんごが合わさって、ひと口食べるともう止まりません。ケーキを作る時って、材料を混ぜて、型に入れたらすぐにオーブンへ…と慌ただしいイメージですが、このレシピでは混ぜて生地を作ったあと、“寝かせる”工程を入れることで生地が落ち着き、逆に美味しくなるので慌てる心配がありません。これは初心者にとっては嬉しいですよね。

■型抜き不要!ナッツ好きにはたまらない「キャラメルナッツクッキーサンド」(P.48)


 ボウルに「米粉」、「コーンスターチ」、「シナモンパウダー」、「重曹」を入れ、泡だて器でよく混ぜます。別のボウルに「絹ごし豆腐」、「てんさい糖」、「粉寒天」、「塩」を入れ、なめらかになるまで混ぜたら、「ココナッツオイル」を加えて混ぜ、乳化させます。これを先ほどのボウルに入れ、ポロポロになるまでヘラでよく混ぜればクッキー生地の完成です。

 そして、オーブンシートをしいた型に生地の半量を入れ、指で押し固めながら敷き詰めたら冷凍庫に入れて冷やします。次に、鍋に「メープルシロップ」、「豆乳」、「てんさい糖」、「ココナッツオイル」、「ココアパウダー」、「塩」を入れて火にかけ、沸騰したら5分ほど、時々かき混ぜながらとろみがつくまで煮詰めます。とろみがついたら火を止め、「ナッツ」を加えて混ぜ合わせます。これを冷凍庫で冷やしていた生地の上に広げ、残りのクッキー生地をのせて指で押し固めたら、冷蔵庫で20分以上寝かせます。最後に160℃に余熱したオーブンで25分焼けば完成です。

 2品目は、クッキーの間にナッツがぎっしり詰まったクッキーレシピです。ここでは、焼き上がったクッキーの余熱が取れたら型から取り出し、包丁で食べやすい大きさにカットしました。クッキーというと、可愛らしい型で1枚1枚抜き取るイメージですが、生地からうまく型抜きできなかったりと、なかなか手強い作業だったりします。でも包丁でカットするのだったら、初心者でも簡単にできますよね。しかも、切る時のザクッとした感触が気持ちいい。見た目通り、食べてみるとサクッとしたクッキーの間にカリッとしたナッツと濃厚なココア生地がサンドされ、一口で満足度MAX! なのにすぐにもう一口と、クセになる味で、ついついもう1個と手がのびてしまいます。これが小麦粉もバターも使わずに作れたのは驚きです。好みの大きさに切り分けられるので、大き目の型で作って切り分け、何人かにプレゼントするのもいいかもしれません。

 このレシピ本では、グルテンフリーな上、粉を混ぜすぎても大丈夫、あわてずにゆっくり作れる、特別な道具がなくてもいいという理念のもと、他にも、指で押して作るゆびタルトやぺったんこでOKなシュークリームなど、初心者にとっては憧れのスイーツレシピもたくさん紹介されていて、いろいろ作ってみたくなりますよ。

■お菓子作りの救世主「へたおやつ」で今年のバレンタインプレゼントは決まり!

 昔から「へたはへたなりに努力しよう」という言葉がありますが、所詮努力してもやっぱりうまくいかないのがお菓子作り。でも、この「へたおやつ」は、そんなお菓子作りに全く自信がない人でも、「私って実はお菓子作りが上手かも!?」と錯覚してしまうくらい、簡単に美味しく作れるので、自信がない人ほど手に取って欲しいレシピ本です。今年のバレンタインは「へたおやつ」で、意中の彼や友達、もちろん自分自身にプレゼントしてみませんか?

文=JUNKO