赤ちゃんの発達に取り返しのつかない遅れが出る可能性も! 離乳食は9カ月で必ず3回食にしたほうがいい理由

出産・子育て

更新日:2018/5/28

 離乳食に疑問や不安を抱くママは多いもの。中でも多いのは「食べてくれない、離乳食が進まない」という悩みです。
「おっぱいが大好きだから、とりあえずいいかな。おっぱいを飲んでいれば栄養不足になることはないはず」と考える人は少なくないのですが、ちょっと待ったァ~!と警鐘を鳴らすのは、『マンガでわかる離乳食のお悩み解決BOOK』(主婦の友社)を監修した、帝京科学大学教授で栄養学博士の上田玲子先生です。

母乳の鉄分やたんぱく質はどんどん減っていく

※「補完食 母乳で育っている子どもの家庭の食事」(WHO)を参考に編集部で作成

 グラフを見てください。
 生後間もない赤ちゃんにとって、母乳は最良の栄養です。でも、生後6カ月を過ぎるころには、成長に必要な栄養成分はガタ落ち。それは、「もうおっぱいだけでは栄養が足りません。そろそろ食べ物から栄養をとれるようになってね」という、おっぱいからのメッセージです。

 赤ちゃんが1才になるころには、母乳の鉄分とたんぱく質は出産直後の半分ほどに。リン、カルシウムなどの栄養素も、軒並み大幅にダウンします。

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 精神安定剤としてのおっぱいの役割は、それぞれの親子関係で考えていいのですが、栄養面ではおっぱいで十分、というわけではないのです。

6カ月以上貧血が続くと運動神経や知能に取り返しのつかない遅れが!?


 中でも気をつけたいのは、鉄分不足からくる貧血です。
 2才未満で鉄欠乏性貧血が半年以上続くと、運動神経や知能に遅れが出やすく、その遅れをなかなかとり戻せないと言われます。
 ところが2才以降では、貧血が改善すればこうした問題は起こらないとされています。離乳食時代の鉄分が、いかに大切なのかがわかりますよね。

離乳食のスタ―トはどんなに遅くても6カ月のうちに。
9カ月になったらどんなに小食でも3回食に


 赤ちゃんはママのおなかにいるときに鉄を受け取り、「貯蔵鉄」としてストックしています。でも生後7カ月を過ぎると貯蔵鉄はどんどん減少します。
 ですから、遅くとも6カ月のうちには離乳食をスタートさせ、食事からも栄養をとり入れる練習を始めてほしいのです。

 9カ月になるころには、母乳中の鉄が半分ほどになるのは前述の通り。食が細い子は、1回量が少なくてもかまわないので、1日3回食事をさせましょう。3回の食事のリズムをつくると食事前に消化液が出て、空腹を感じるようになってきます。

 9カ月で3回食にして、それでもおっぱいが好きで離乳食をあまり食べずに体重の増えが悪いなら、母乳の与え方を考える必要があります。
「まぶたの裏が白っぽい」「しょっちゅう体調をくずす」といった様子がないかどうかも確認して、かかりつけの小児科医や保健センターの保健師さんに相談してみてください。