この組み合わせアリ! プロのワザが光る、絶品おつまみが自宅で簡単にできる!【作ってみた】

食・料理

2018/9/19

『ダンツマ手帖 伝説の飲み屋のつまみが簡単に作れる!』(日刊ゲンダイ編/講談社)

 たまに、ふらっと入った店で思わぬ美味しいものに出くわすことがある。貴重な食材を使った高級料理ではなく、ごく普通のありふれた食材を使っているのに、作っている人の技術やセンスが光る一品。「こんな組み合わせがあったのか!」と、思わず自分でも試してみたくなる一品。そういったものに出会えると、その日はとても幸せな気分で終えることができる。『ダンツマ手帖 伝説の飲み屋のつまみが簡単に作れる!』(日刊ゲンダイ編/講談社)は、そんな一味違う、いろいろなお店の名物つまみレシピを紹介している一冊。

 本書は、日刊ゲンダイで連載中の「伝説の達人に聞く 男が泣いて喜ぶツマミ」を書籍化した本。ちなみに“ダンツマ”というのは「男性のツマミ」を略したもので、時折包丁を握るくらいの男性でもちゃちゃっと作れるツマミ、という意味だ。

 掲載されている26店の52品は、どれも簡単なものばかり。しかしそこには、素材の相性や特性を生かした工程、調理ができるプロならではのワザが隠れているのだ。そこで、本書を見ながら筆者も作ってみた。

■「アジの和風タルタル」(P.29)

 1つめは、「CLOUD NINE」というお店の「アジの和風タルタル」。捌いて大きめの角切りにしたアジ、細かく刻んだエシャロット、みょうが、大葉を混ぜ合わせ、醤油と塩、オリーブ油、ごまを加えて和えたら完成。冷蔵庫でよく冷やしておくのがポイント。

 魚はサンマやイワシでもOKと書かれていたので、今回は旬のサンマを使用した。シャキシャキとした薬味の食感と爽やかさ、脂の乗ったサンマのうまみが口の中に広がる、青魚好きにはたまらない一品。刻んだ生姜を加えるのもオススメ。

 元々は常連さんに「自宅で魚料理を作るとワンパターンになってしまう」と言われ、それを改善したいと思い作ったメニューなんだとか。捌いた魚を買ってくれば刻んで和えるだけなので、失敗もなく料理初心者でも簡単に作ることができる。

■「梅肉とワサビの香り和え」(P.41)

 2つめは、「福重」というお店の「梅肉とワサビの香り和え」。こちらはもっと簡単で、梅と大葉を刻み、すりおろしたワサビ、醤油、みりんを和えるだけ。

 梅と大葉とワサビという主張の激しいものの組み合わせなのでどうなるかと思ったが、酸味と辛味の刺激はありつつも、お酒がほしくなる、“酒のアテ”にぴったりの一品に仕上がっていた。ワサビは自分ですりおろすのがベストだが、ない場合は少し高めのチューブのワサビでも美味しく作ることができる。

 これは、ワサビ好きのお客さんがワサビをなめながらお酒を飲んでいたのを見て、それならば、と作ったのがきっかけ。お酒のために作った料理だ。「刺し身を切って入れてもおいしい」とのことだ。

■「豚肉とナスのさっと煮」(P.80)

 最後は、「まるよし」というお店の「豚肉とナスのさっと煮」。縦にスライスしたナスをフライパンで焼き、食べやすいサイズに切った豚バラしゃぶしゃぶ肉を加えてさらに焼く(本書レシピより)。あとはめんつゆを加えてひと煮たちさせ、おろし生姜を加えて混ぜれば完成。仕上げに万能ネギを散らす。

 めんつゆの甘辛い味、肉の味がナスにしっかり染み込み、食べるとナスのうまみとともにじゅわっと溢れてくる。ボリュームもあるので、食事としても十分満足できる。個人的にはぜひともご飯にのせて食べたい味。

 早く飲み始めたい人のためにささっと作れるよう、しゃぶしゃぶ肉を使う、フライパン1つで完結する炒め煮にするなど調理法も一工夫しているとのこと。脂と相性のいいナスに、脂の美味しさが際立っている豚肉を合わせ、逃がさず吸い込ませた絶品コラボレーションが魅力の一品と書かれている。

『ダンツマ手帖 伝説の飲み屋のつまみが簡単に作れる!』は、このようにレシピだけでなく、レシピを考案したお店、スタッフの言葉も紹介されているのが特徴。どういう経緯でこの料理が誕生し、どういった工夫がされているのかを知ることで、お店の、お客さんに対する思いも知ることができる。さらに本書内の料理や食材にどのお酒が合うのかも書かれており、お酒に詳しくない人でも最高の組み合わせで味わえる。

 お店で食べるような料理を自宅でのんびり味わっていると、とても贅沢な気分になる。外で飲むのももちろんいいが、たまには自分で作ったおつまみで、至福のひとときを過ごしてみては?

調理・文=つきのんキッチン