夫の単身赴任から始まった家庭崩壊。ただの浮気では終わらなかった…【岡野あつこが語る!実録結婚奇譚】

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更新日:2021/1/26

「結婚=幸せ」「離婚=不幸せ」という単純な図式にはあてはまらないのが夫婦問題。憧れの結婚をしてもブルーな毎日を送る人もいれば、悩んだ末に離婚をして次の幸せに向かえる人もいます。私、岡野あつこが実際に目撃した「男女の不思議な物語」をお届けします。

「“そこそこの相手”に裏切られた」~Y美さんのケース~
単身赴任先で浮気した夫。別れさせ、会わないことを誓わせたが…

 大学卒業後、中堅の広告代理店に入社したY美さんが友人の知り合いで出会ったTさんと結婚したのは30歳の時。Tさんは、Y美さんの好みのタイプではなかったものの、「結婚するなら“大好きなタイプ”より“そこそこの相手”のほうがいいのかな」と結婚を決めたといいます。

 結婚して6年、優しくて頼りになる夫と5歳と2歳になる二人の子どもに囲まれ、職場復帰も果たしたY美さんは、忙しいけれど幸せな結婚生活を送っていました。

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 そんなY美さんの生活に変化が訪れたのは、Tさんの転勤でした。家族と一緒に引越せるものだと思っていたTさんに対し、「息子の小学校受験があるので、単身赴任してほしい」と願ったY美さん。結局、Y美さんの仕事のこともあり、Tさんの単身赴任が決まりました。

 はじめは毎週末、自宅に帰ってきていたTさんでしたが、向こうでの生活が慣れてくると「交通費がもったいないし……」という理由から帰宅するのも2週間に一度、1ヶ月に一度と間隔があいてくるようになりました。

 Y美さんがTさんの浮気に気づいたのは、夏休みのこと。子どもと3人で近所のコンビニまで出かけた時、家に置き忘れたままのTさんの携帯電話に着信があったのです。画面を見ると「M菜」という知らない名前が。そこで思い切ってY美さんが電話に出てみたところ、「もしもし、H?」と夫の名前を親し気に呼ぶ若い女性の声がしたのでした。

 浮気をするタイプではないと思っていた夫に裏切られたY美さんは、帰宅したTさんに留守中の電話の件を伝え、「まさか浮気なんてしていないよね?」と半信半疑で詰め寄ったところ、Tさんは「ごめん」と浮気をあっさり認めました。「別れたい」という夫の申し出を聞き入れることもなく、Y美さんは浮気相手の女性とすぐに別れさせ、夫にその女性と二度と会わないことを誓わせたと言います。

 その後、Tさんは3年間の転勤を終え、自宅に戻りました。一見、家庭は元通りのように見えましたが、じつは続きのストーリーが待っていたのでした。

 今年の春、Y美さんが仕事で久々の海外に行くことになりました。そこで更新しそびれていたパスポートを取得し直すために戸籍謄本を取り寄せたところ、なんとTさんがかつての浮気相手との子どもを認知していた事実が判明したのでした。「単身赴任をしていた時に子どもができていたなんて、私はその時まで知りませんでした。しかも、いつのまにか認知していたとは……」。

 しかも、Y美さんがTさんにたしかめたところ、さらに驚くべきことが明らかになりました。「一度は別れると誓った浮気相手とじつはまだ続いていて、ウチの近所に母子を呼び寄せて、家賃を払って住まわせていたんです」。

 夫のTさんいわく、「Y美の思っているとおり、オレは浮気するタイプじゃない。本気になるタイプなんだ。だから、M菜とも浮気なんかじゃなくて、最初から本気だった。彼女と人生をやり直したいんだ」と涙ながらに訴えたのでした。

“そこそこの相手”と結婚し、何年もだまされていたことが許せず、相当なショックを受けていたY美さん。しばらくはずっと、夫からの離婚の申し出を突っぱねていていましたが、最近になって「本当にこれで私の人生は幸せなのかしら?」と思い、身勝手な夫との離婚を考えはじめているそうです。

文=citrus 結婚離婚カウンセラー 岡野あつこ