肉じゃがはしょうゆを焦がして作る!? いつもの料理が大変身する、お手軽プロ技レシピ【作ってみた】
更新日:2019/6/13
「肉じゃが」や「ハンバーグ」、「オムライス」というと、それなりに料理をする人であれば一度は作ったことがあるであろう料理。得意料理として挙げられがちなのも、この辺りではなかろうか。
しかし、何度も作っていると、「なんかもうひと工夫したい」「何かアレンジを加えてみたい」と考え始める。だがこれを素人が勘でやると、失敗するケースも多い。そんな、料理がすごく得意なわけじゃないけどもう少し何か…という人にぜひ試してほしい『フレンチシェフが作る「人生最高!」の肉じゃが』(田村浩二/主婦の友社)という本を発見した。
本書は、フレンチシェフがプロならではの目線でおいしさを追求した、無理なく料理をレベルアップさせてくれるレシピ本。筆者も料理は好きなので、掲載されているレシピの基本的なものはほとんど作ったことがある。これがどう変わるのだろうか…。気になったので、実際に作ってみた。
■「焦がしじょうゆの香りを楽しむ肉じゃが」(P.12~P.19)
1つめは、香ばしさが魅力の「焦がしじょうゆの香りを楽しむ肉じゃが」。切ったじゃがいも、にんじん、玉ねぎをごま油と塩で炒め、焼き色がついたらしらたきと牛肉を加えて軽く炒め合わせる。牛肉の色が変わり始めたら、具材をなべの片側に寄せ、しょうゆをなべ肌に当たるように入れて少し焦がす。みりん、酒、昆布だしを加えて落し蓋をし、15分~20分ほど煮れば完成。
具材やしょうゆを焦がすことで、香ばしさや香りがいっそう引き立ち、いつも食べる肉じゃがよりもしっかりとした味わいに。筆者は子どもの頃、味が中途半端な気がして肉じゃがが苦手だったが、これだけまとまった味であれば食べられたかもしれない。煮物が苦手、という人にもぜひ試してほしい味。
■「なめらか卵の焼かないオムライス」(P.38~P.43)
2つめは、卵を低温調理でとろっと仕上げる「なめらか卵の焼かないオムライス」。細かく切った玉ねぎ、にんじん、マッシュルーム、ピーマン、鶏もも肉をバターと塩で炒め、お米を加えて全体をなじませて、昆布だしとローリエを加えて炊飯する。ボウルに卵を割り入れ、80度~90度のお湯で湯煎しながらホイッパーでもったりするまでかき混ぜる。あとはお皿に先ほど炊飯したご飯、卵、ケチャップと盛り付ければ完成。
火を使わず湯煎で加熱する低温調理をオムライスに取り入れることで、卵がとろっとなめらかに仕上がる。塩で旨味を引き出した具材たっぷりのバターライスと卵が口の中で自然と混ざり合い、卵のまろやかさをより感じさせてくれる。簡単にプロ級の味わいに仕上がるので、オムライスだけでなく、天津飯などほかの料理もこの方法で試してみたくなった。
■「一度は作りたい究極のチーズケーキ」(P.62~P.69)
最後は、しっとりなめらかな生地が魅力の「一度は作りたい究極のチーズケーキ」。クリームチーズとグラニュー糖を混ぜたもの、サワークリームとギリシャヨーグルト、レモン汁、卵、コーンスターチを混ぜたもの、生クリームとホワイトチョコ、バニラビーンズ、トンカ豆を火にかけたものを混ぜ合わせる。生地をストレーナーでこしながら型に流しいれ、熱湯を入れた鍋の中に入れて、180度のオーブンで25分、150度のオーブンで20分焼く。焼きあがったら型を取り出し、氷水で冷やして完成。
一口食べると、まず生地のなめらかさに驚く。本書の中で「ブリュレのような」と表現されているが、まさにその感覚だ。それでいてふわっと、表面は少しこんがりとしていて、チーズケーキ好きなら感動せずにはいられない。ずっしり重いチーズケーキもいいが、このチーズケーキには、それとはまた違った魅力がある。
作ってみたどの料理も、特別難しい工程が入るわけではなく、ほんのちょっと作り方を工夫しているだけ。しかしこのひと工夫で、味や食感、香りが劇的にランクアップする。このほかにも、「こんぶのうまみの五目ごはん」や「3段重ねの黄金ドリア」など、期待度高めのレシピが多数掲載されている。
作り慣れた料理をもう少しレベルアップさせたい、いつもの料理に飽きてきた…という人は、ぜひ『フレンチシェフが作る「人生最高!」の肉じゃが』でその壁を打破してほしい。今後の食生活がずっと豊かになるはずだ。
調理、文=きこなび(月乃雫)
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