あなたは「トイレ」で本を読む派? 読まない派? どちらも楽しめるトイレ本

文芸・カルチャー

2020/1/31

『トイレで読む、トイレのためのトイレ小説 ふた巻きめ』(著:雹月あさみ/イラスト:ヨシタケシンスケ/KADOKAWA)

 令和2年も始まり、みなさんトイレ生活をエンジョイしているだろうか? 射撃方向、ヨシ! 紙の充填、ヨシ! という、消耗戦への準備だって完璧な貴方こそ、忘れちゃいけないのがお供の本。どうせ個室なら、愉しく過ごしたいものだ。

 2019年『トイレで読む、トイレのためのトイレ小説』という単行本が発売された。全人類のトイレ時間を有意義な物にしてくれた(かもしれない)、『トイレ本』パイオニアと言える(かもしれない)短編集だ。

 その通称「トイレ小説」が、なんと『トイレで読む、トイレのためのトイレ小説 ふた巻きめ』(著:雹月あさみ/イラスト:ヨシタケシンスケ/KADOKAWA)としてパワーアップして帰ってきた。今までにないケツ末を迎える「さるかに合戦」や、未来トイレが国民の尻を人質に未曾有の殺戮を犯そうとした「IOT(インターネット・オブ・トイレ)殺人事件」の気になるその後。オムツを脱ぎ捨て華麗にトイレデビューする歌など、さまざまなトイレの物語が前回よりも増量されて詰まっている。例えて言うなら、4ロールで8ロール分の長さでお得、というイメージだろうか。

 前作の構成と同じく、トイレの(大)(小)にあわせて、長い話、短い話の表示がしっかりされている本作。それぞれの使用時間に合わせて読める便利設計だ。こんなに中身が充実しているのだから、トイレットペーパーがふた巻きめに突入するまでトイレに長居してしまう、なんてこともあるかもしれない。冬のトイレは冷える。しっかり暖房便座をONにして備えて欲しい。

 そして今回ももちろん大人気絵本作家/イラストレーターのヨシタケシンスケ氏による豪華描き下ろしが多数収録。便器から「使い捨て抗菌シート4ミリ」を持ったノズルがニョキッと顔を出す未来型トイレのイラストなんて、きっとここでしか見られないのでは? どれも臨場感たっぷりのイラストに思わずニヤリすること間違い無しだ。

 ぜひトイレに一冊、置いてみてはいかがだろうか?