苦手だったブロッコリーが好物に!? Twitterで大人気のブロッコリー農家が教えるレシピ

食・料理

公開日:2022/3/8

日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ
『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』(安井ファーム(@yasuifarm)/KADOKAWA)

 ビタミンCやβカロテンを豊富に含む、栄養満点の緑黄色野菜ブロッコリー。しかし独特のクセがあり、苦手な人も多い野菜のひとつだ。筆者も以前は何となく青臭さが気になり、「何かおいしい食べ方はないものか」と思っていた。そんな中で出会ったのが、石川県でブロッコリー農家をしている安井ファーム(@yasuifarm)のTwitter。

 安井ファームは、石川県のブロッコリー作付面積の約3割を1社単独で担っている、北陸最大級の複合経営をしている会社。Twitterでは日々おいしそうなブロッコリーレシピをツイートしており、今では5.8万人以上もの人がフォローしている。中でも「ブロッコリーの麺つゆ漬け揚げ」は非常に大きな反響を呼び、13万以上のいいねを獲得した。

 先日、そんな安井ファーム初のレシピ本となる『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』(安井ファーム(@yasuifarm)/KADOKAWA)が発売された。野菜でありながらタンパク質を含み、ビタミンやミネラルも豊富で栄養の塊ともいえるブロッコリーは、積極的に日々の食事に取り入れたい存在。そこで気になったものを3つほど、実際に作って食べてみた。

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「ブロッコリーの麺つゆ漬け揚げ」(P.34~P.35)

日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ

 1つめは、13万以上のいいねを獲得した伝説のレシピ「ブロッコリーの麺つゆ漬け揚げ」。まずはバットに麺つゆと水を混ぜ合わせておき、切って加熱したブロッコリーを熱いうちに漬け込む。続いて汁気を軽く切ってポリ袋に入れ、片栗粉を加えて全体にしっかりとまぶす。あとは170度に熱した油で揚げるだけ。

 食べる前は「麺つゆと衣をつけて揚げただけでそんなに変わる?」と思っていたが、食べてその味と食感に感動した。ブロッコリーの花蕾部分が麺つゆをしっかりキャッチしていることで、片栗粉がその水分を吸って表面はカリカリ、中はモチモチ! 味も思った以上にしっかりとついていて、ブロッコリーの青臭さをまったく感じない。それでいてブロッコリーだから出せる味をしっかり貫いている。おいしすぎて、思わず「えっ!?」と声が出てしまった。

「ブロッコリーの肉巻きフライ」(P.60~P.61)

日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ

 2つめは、切った断面がオシャレ可愛い「ブロッコリーの肉巻きフライ」。豚ロース薄切り肉に塩コショウをし、小さめに切ったブロッコリーを巻いて丸く形を整える。あとは小麦粉、卵、パン粉の順に衣をつけて揚げるだけ。ベビーリーフと中濃ソースを添えれば完成だ。

 衣のサクサクとした食感とうまみたっぷりの豚肉を、その下に現れる瑞々しいブロッコリーがしつこさのない程よいボリューム感に調整してくれる。ソースもとんかつソースではなく中濃ソースという選択が絶妙で、衣、肉、ブロッコリー、ソース全てのバランスが完璧だ。断面の見栄えも良く、切って出すと食卓を華やかにしてくれるのも嬉しい。

「ブロッコリーの茎のベーコン巻き」(P.25)

日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ

 最後は調理時に切って捨ててしまいがちな茎部分だけを使ったレシピ「ブロッコリーの茎のベーコン巻き」。加熱して皮をむいたブロッコリーの茎を切り、半分に切ったベーコンを巻いていく。あとは油を引いたフライパンでベーコンがこんがりするまで焼けば完成。

 茎部分は硬くて食べにくいと思いきや、皮をむけば花蕾部分よりもクセが少なく、歯ごたえが良く爽やかさすら感じる絶品料理に大変身。筆者も以前は可食部ではないと思って捨てていたため、Twitterで最初に食べられると知った時には驚いた。ベーコンの強いうまみと塩気に、スッキリとした茎のほのかな苦みがいいアクセントになっている。

 どの料理も調理方法はシンプルで、ブロッコリーらしさを消しているわけではない。にもかかわらず、食べてみると思った以上においしく、「30年以上ブロッコリー苦手だったはずなのに、いくらでも食べたいくらいおいしい!」と驚いてしまった。これは苦手を克服したと言ってもいいはず。ブロッコリーに苦手意識を持っている人にこそ、ぜひとも本書のレシピを積極的に活用してほしい。

 この『日本一バズる農家の健康ブロッコリーレシピ』には、バリエーション豊かな絶品ブロッコリーレシピのほか、おいしいブロッコリーの見分け方やブロッコリーの種類、洗い方、栄養、相性のいい食材など、知っておきたい情報がしっかりと網羅されている。筆者も安井ファームのTwitterと本書で、これからもブロッコリーの消費が捗りそうだ。次は「和風おろしブロッコリーハンバーグ」を作ってみようと思う。

調理、文=月乃雫

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